
上場達成した会社経営者や実務担当者は、上場準備に関する何かのセミナーへ行った経験があると思います。
上場準備に関するセミナーは、数多くあり、大きく分けて次の2つの種類に分かれます。
- 上場を目指すかどうかを考えているときに参加するような初歩的なセミナー
- 上場準備の実務が中心にプログラムされているセミナー
今回のブログは、上場準備に関するセミナーの使い方について、ブログの中の人の個人的な考えです。
上場を目指すかどうかを考えているときに参加するような初歩的な上場準備セミナー
「上場を目指すかどうかを考えているときに参加するような初歩的なセミナー」というものは、極めて基礎的な内容が中心になっているセミナーでして、プログラムのほとんどが市販本と重複することになります。
無料で開催しているセミナーもあります。
そのようなセミナーは、セミナー主催者のマーケティングを主目的としています。
ブログの中の人の個人的意見では、このようなセミナーにはMAX2回訪問すれば十分だと考えます。プログラム内容に目新しさを期待することは、酷であると考えるからです。
上場準備の実務が中心にプログラムされているセミナー
一方「上場準備の実務が中心にプログラムされているセミナー」には、積極的に参加することをおススメします。ブログの中の人がそのように考える理由は、主に以下の2つです。
専門家の属人性のリスクヘッジ
上場準備は、IPOコンサル会社や主幹事証券会社の公開引受部門の担当者などの専門家からの指導を受けながら、準備を進めていくことが基本線になりますが、その専門家の属人的な指導に頼ることはリスクになります。
運よく、大手証券会社公開引受部のスーパーエース級があなたの会社の担当者になったとしても、その人が上場支援した案件の内、上場達成させた実績はせいぜい年間MAX2~3件程度です。また年間2件以上も担当案件を上場達成させるIPOコンサルタントは、全国的にほぼ皆無と考えた方が良いと思います。
したがいまして、大手証券会社公開引受部の担当者、またはIPOコンサル会社の担当者の中には、何年間も上場達成案件に携わっていない人がゴロゴロいます。
業種業界や経済状況、社会問題などでIPO審査のポイントは異なっています。そのような背景からも、もしスーパーエース級の支援があったとしても、チェックの抜け漏れや過剰指導などは、数多く存在すると考えておくべきです。
そこで、あなたの会社に訪問する担当者の属人性のリスクヘッジ策のひとつとして、上場準備セミナーへの参加を考えることがよいと思います。
セカンドオピニオン
上場準備を進めていくうえで、上場支援の専門家と意見が相違したり、疑問に感じる場面は多々あります。
そのようなとき、セカンドオピニオンを取得する目的として上場準備セミナーを活用するのは非常に有益だと考えます。
セミナーの後、「このセミナーで、この人から、こういうアドバイスを貰ったが、どう思いますか?」という会話を主幹事証券会社の担当者と出来れば最高だと思います。
上場準備セミナーの構成
上場準備セミナーの構成は、次のようになっています。
専門家によるセミナー
証券会社、印刷会社、IPOコンサル会社などのマネージャーや現場担当者による上場準備セミナーが開催されています。
このようなセミナーは、セカンドオピニオンを取得するチャンスです。
例えば、月次予算管理や労務管理について証券会社から指導を受けた内容を質問するということなどを積極的にしてみてはいかがでしょうか。
またIPO審査やIPO準備のトレンドを知るチャンスです。
例えば、コロナ禍が上場審査や上場準備に対してどのような影響を与えたのか、東証の市場改編によって影響が出た具体的事例はあるか、などを聞くチャンスだと思います。
証券会社の公開引受部門担当者から指導されなかった内容に関する情報をゲットできるかも知れません。
事前に質問事項を整理して、セミナーへ参加すると有益だと思います。
上場企業の経営者や実務担当者による上場準備体験談
上場経営者による経験談は、事前準備をすれば、非常に有益だと思います。
上場コンサル会社の大手企業である株式会社船井総合研究所には、「IPO・M&A分科会」というサービスがあり、そのサービスの中に「上場経営者による講演」が隔月で開催されています。
その講演会が2021年6月16日(水)に開催され、ミアヘルサ株式会社の社長が登壇することになっています。
そのサイトは、こちらです。
ミアヘルサ株式会社は、「調剤薬局」「保育園」「介護」の事業を展開している会社です。
多店舗展開している会社が悩みやすい内容、例えば店舗における労務管理や内部監査について、具体的に質問や悩みを聞くことが出来るかもしれません。
さらにミアヘルサ株式会社の場合は、「保育園」と「介護」という人材確保が大きな課題にある事業を展開しているため、人材採用や維持で悩んでいる会社関係者は、良いヒントを獲得できるかもしれません。
つまり、「上場企業の経営者や実務担当者による上場準備体験談」は、登壇者の事業内容との共通点を検討してから、参加すると極めて有益な情報を獲得できると考えます。
懇親会
上場準備会社が集まる懇親会があります。
色々ありますが、有名なのは、みずほフィナンシャルグループが開催している「みずほ若葉会」です。
こちらのサイトを見れば、2019年には249社も集まっています。こちらです。
懇親会では、上場準備で最もハードルが高いと考えている内容が共通する会社関係者と交流が出来ればベストだと思います。
まとめ
ポイントを絞った実務に関する上場準備セミナーは、積極的に参加すべきだと思います。
IPOAtoZのサポーターである関西IPOチャンスセンターも頑張っています!