非上場会社のほとんどが創業者、もしくは特定のベンチャーキャピタル、または特定の事業会社が圧倒的に支配されています。

このような会社の場合、リスク情報に大株主や支配株主について、記載している例が多々存在します。

IPOを目指す会社がⅠの部のリスク情報へ大株主や支配株主に関する項目を記載する際にご参考頂ければ、幸甚です。

なおリスク情報の内容については、こちらで説明しています。

事業等のリスク・リスク情報

オーナー社長によって経営されている会社の事例

4社とりあげましたが、どこも同じ書きぶりであることがわかります。ぜひご参考ください。最も多いパターンになっています。

株式会社ロコガイド

当社の代表取締役である穐田誉輝は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式総数の96.5%を所有しております。

本株式の募集後も、引続き大株主となる見込みであります。

同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(出所:株式会社ロコガイドⅠの部より)

株式会社ヴィス

当社の代表取締役である中村勇人は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社クレドの所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の95.3%を所有しております。

本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引続き大株主となる見込みであります。

同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(出所:株式会社ヴィスⅠの部より)

株式会社Macbee Planet

当社の代表取締役である小嶋雄介及び取締役松本将和(同氏の資産管理会社であるMG合同会社を含む)の所有株式数は、本書提出日現在で発行済株式総数の97.0%を所有しております。

本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。

両氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(出所:株式会社Macbee PlanetⅠの部より)

Ⅰの部チェック

オーナー社長の親族が役職員として勤務している会社の事例

創業者の親族が役職員として従事している会社がIPOをした事例は多々あります。

 株式会社T.S.I

当社の支配株主である北山忠雄は、当社の創業者であり代表取締役社長であります。

本書提出日現在、北山忠雄並びに同氏の二親等内の親族の所有株式数を含めると発行済株式総数の89.7%を所有しております。

また、当社の支配株主である北山優吾は、当社の専務取締役であり、北山忠雄の子であります。北山優吾並びに同氏の二親等内の親族の所有株式数を含めると発行済株式総数の88.4%を所有しております。

また、北山忠雄及び北山優吾の三親等内の親族が4名、当社従業員として勤務しており、それぞれ経理、総務、広報業務に従事しております。

北山忠雄及び北山優吾は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、何らかの事情によりこれらの当社株式が売却され、両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、北山優吾は300,000株の公募増資により当社の発行済株式総数が増加した場合、主要株主から外れるため支配株主に該当しなくなる見込みであります。

(出所: 株式会社T.S.IⅠの部より)

株式会社関通

当社創業者の代表取締役社長であり、支配株主である達城久裕の本書提出日現在での議決権所有割合は、直接所有分として21.98%であります。

また、達城久裕の資産管理会社であるロジ・エステート株式会社、達城久裕の二親等内の血族である達城利卓、達城利元、達城裕佳、達城太貴の議決権を合算した所有割合は63.75%となっております。

達城久裕及びロジ・エステート株式会社は、当社株式の2020年3月19日の東京証券取引所マザーズ市場上場に際し、所有株式の一部を売出す予定であります。

達城久裕は引続き当社の支配株主となる見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。

しかしながら、何らかの事情によって、達城久裕が当社株式をやむを得ず売却することとなった場合、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

(出所: 株式会社関通Ⅰの部より)

株式会社ポピンズホールディングス

当社の代表取締役会長である中村紀子(戸籍名:軣紀子)及び代表取締役社長である轟麻衣子(戸籍名:軣麻衣子)は、両氏の資産管理会社である株式会社スピネカの所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数の82.9%を所有しております。

本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。

両氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(出所: 株式会社ポピンズホールディングスⅠの部より)

創業者が経営していた会社との取引が存在する事例

セルソース株式会社

当社では、創業者の一人であり元代表取締役の山川雅之氏及び同氏の近親者が過半数の株式を有するシリアルインキュベート株式会社が、本書提出日現在において当社の発行済株式数の81.7%を保有しており、今回の上場に伴う公募増資の実施後も当社発行済株式総数の61.3%(「第一部 証券情報 第1 募集事項 1 新規発行株式」の(注)3.に記載の第三者割当増資が上限株式数まで実施された場合には59.0%)を引き続き保有する見込みであります。

山川氏は、2007年4月に美容・形成外科のザ・クリニック東京を、また2016年3月に脂肪由来幹細胞を用いた再生医療の実践を目的に東京ひざ関節症クリニックをそれぞれ開院し、医療法上の開設者でありました。

その後、ザ・クリニック東京については2012年5月に開設者を辞し、また、東京ひざ関節症クリニックについては2018年9月に個人経営院としては閉院し、現在山川氏は両院の経営及び運営に関与しておりません。

なお、ザ・クリニック東京は2017年10月期において当社の売上高に占める割合が10%を超える売上計上先であり、また、東京ひざ関節症クリニック(現 医療法人社団活寿会 東京ひざ関節症クリニック銀座院)は2018年10月期において当社の売上高の10%を超える売上計上先であります。

今後何らかの理由で当社と両院との取引関係が継続できなくなった場合には、当社の事業や経営成績に影響を与える可能性があります。

(出所: セルソース株式会社Ⅰの部より)