売出し・売出とは
既に発行された株式など有価証券の売り付け申込み、または買い付け申込みを不特定多数(50名以上)の投資家等に対して勧誘することをいいます。
ちなみに送り仮名はこのようになります。
- 「売出」:「売出人」「売出価格」など、次に漢字が来る場合に使います。
- 「売出し」:「売出しを・・・」「売出しで・・・」など次に平仮名が来る場合に使います。
- 「売出し」:「・・・の売出し」という体言止めの場合に使います。
- 「売り出し」:使いません。
売出しについて、少し正確に説明すると、金融商品取引法第二条第4項において、定義されている行為をいいます。株式の場合は、既に発行された株式の売付け勧誘等(売付けの申込み、またはその買付けの申込みの勧誘)のうち、均一の条件で、多数の者を相手方として行う場合をいいます。
IPO時に創業者が保有株式の一部を売出しする事が定番になっています。
売出しの規制
株式の売出しを行う場合は、その規模によって、有価証券通知書もしくは有価証券届出書の発行を要します。
表 有価証券届出書と有価証券通知書の届出要否
売出価額の総額 | 1千万円以下 | 1千万円超~1億円未満 | 1億円以上 |
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非開示会社(注1) | 不要 | 有価証券通知書 | 有価証券届出書 |
開示会社(注2) | 不要 | 不要 | 有価証券通知書 |
注1:50名以上の者を相手方として、既に発行された株式の売付けの申込み又はその買付けの申込みの勧誘を行う場合
注2:既に発行された株式の売付けの申込み又はその買付けの申込みの勧誘を行う場合
その他にも通算規定への配慮が必要になります。
重要なのは、この規制は上場会社・非上場会社とは関係ないということです。
例えば、オーナー社長がIPO前に、役職員や社外関係者へ保有している株式の一部を譲渡するケースがあります。
もし50名以上に行ってしまい、さらにその額が1億円以上になってしまうと、譲渡を行う前(正確に言うと売出しのための勧誘を行う前)に有価証券届出書を提出しなければいけません。これは大変なことです。
有価証券届出書とはこちらで説明しています。