二重予算は、ネガティブな評価がされます

多くの会社が二重予算制度を採用しています。

ブログの中の人は、東証一部上場企業やそのグループ企業を数社勤務した実績がありますが、どの会社も二重予算制度を採用していました。

どの会社も”強気な理想プラン”と”堅実な現実プラン”を作成していました。

”強気な理想プラン”は人事や組織の評価として使い、”堅実な現実プラン”は社外に開示する予算資料に使っていました。

二重予算制度は、上場企業だけに止まらず、IPOを目指す非上場会社の多くが採用しています。

よくあるケースが「目標予算」と「死守する予算」であり、実質的には上場会社と同じような目的で二重予算が作られていました。

しかし一方、IPO準備の観点からすると、「二重予算はネガティブ」として捉えられています。その理由は、主に以下のような2つの懸念があげられています。

二重予算がネガティブと評価される理由

二重予算を作成している会社は数多く存在することは事実ですが、IPO準備としては、次のような理由で印象が悪く捉えられています。

    二重予算の存在は、月次予算の差異分析の早期化を妨げないか?
    1. 東証が求める決算短信の早期提出の対応に支障が出るのではないか
    2. 「理想プラン」の存在によって、予算管理部門の業務量が増し、その他の重要な業務が後回しになってしまうのではないか
    二重予算の存在が、年度予算の数字の信頼性低下に結び付くのではないか?
    1. 予算の達成意識や責任感、管理の尺度があいまいになり、社員の士気が低下するのではないか
    2. 東芝が2015年に発覚した不祥事が発生した原因は、理想プラン(東芝では”チャレンジ”とよんでいた)の存在といわれており、東芝と同様な不祥事をまねく種が社内に存在するのではないか
    3. 2つの予算について、それぞれ予実差異分析を行うことで、それぞれの分析作業が雑になってしまわないか。もしくは「現実プラン」の予実差異分析の位置づけが社内で低下してしまうのではないか

    以上のような懸念があるため、出来ることなら、二重予算制度を採用している会社は、廃止することをおススメします。

    二重予算を止められないなら・・・

    もし二重予算を維持する会社がIPOを目指す場合は、次のような取り組みや心構えが必要になります。

    • 主幹事証券会社や証券取引所との間で議論する予算は、「現実プラン」の方が一般的になると考えられます。したがいまして、「現実プラン」の方の予算管理の方を重要視することを意識しましょう。
    • 二つの予算を1つのシートで管理せず、別々のシートで管理するようにしましょう。