将来、IPOを目指すことを決め、それを意識した中期経営計画を策定すると、次のような簡便な方法で【IPO時の時価総額の水準をシミュレーションしてみましょう。

時価総額のシミュレーションは、上場目標時期を設定する必須プロセスです。

これは、株式公開を達成する時期に関して、ざっくりとした目標を設定するためにも必要な事です。

ここでは、IPO前にどのようにして時価総額をシミュレーションしているのかを説明させていただきます。

黒字企業の時価総額の計算方法

黒字企業の場合は、類似業種または類似会社のPERとIPOディスカウントを使って簡易的に算定することが最もメジャーな方法です。

PERとIPOディスカウントについては、こちらで用語解説をしています

PER(ぴーいーあーる/ぱー)【IPO用語】

IPOディスカウント

IPO時の時価総額見積もり計算方法
【申請期の当期純利益】×【類似業種のPER】×【0.7または0.8(IPOディスカウント)】
【類似業種のPER】は、日本取引所グループが「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」を公表していますので、ご参考ください。
さらに信頼性を高めるためには、【類似のPER】を使うのではなく、【類似のPER】を使います。
IPO時の時価総額見積もり計算方法
【申請期の当期純利益】×【類似会社のPER】×【0.7または0.8(IPOディスカウント)】
類似会社とは、類似業種にある会社の中から、取り扱う主要商材や業績水準などが類似した会社のうち、3社から5社程度に絞り込みます。どの会社を選択することが妥当なのかは、主幹事証券会社の営業担当者へ質問してみましょう。
時価総額を算定する方法の中には、PBR(株価純資産倍率)を使うことも有名ですが、IPO時の株価シミュレーションとしてPBRは、あまり利用しないと思われます。

赤字企業の時価総額の計算方法

赤字企業のPERは、マイナスになってしまうため、上の式をそのまま使ってしまうと、時価総額がマイナスになってしまうため、使えません。
そこで赤字企業が最も簡易的な方法でIPO時の時価総額をシミュレーションする方法は、PSR(Price to Sales Ratio)を使う方法です。
IPO時の時価総額見積もり計算方法
【申請期の売上高】×【類似会社のPSR】×【0.7または0.8(IPOディスカウント)】
類似会社とは、類似業種にある会社の中から、取り扱う主要商材や業績水準などが類似した会社のうち、3社から5社程度に絞り込みます。どの会社を選択することが妥当なのかは、主幹事証券会社の営業担当者へ質問してみましょう。