ChatworkのIPO
2019年9月24日に東証マザーズに上場したChatwork株式会社の、IPOを簡単にまとめると以下のとおりになります。
想定発行価格 | 発行価格 | 初値 | 上場日終値 | |
---|---|---|---|---|
価格(円) | 1,605円 | 1,600円 | 1,480円 | 1,400円 |
ChatworkのIPOは、【想定発行価格>発行価格>初値>上場日終値】となり、IPOのディールとしては、悪い評価をせざるをえない結果になりました。
Chatworkは、クラウド型のビジネスチャットツール事業を展開しており、将来性が豊かな会社のように思えますがサッパリでした。
売出株比率とIPO
ChatworkのIPOに人気が無かった理由は、売出株式比率の高さにあると言われています。
なお売出株式比率とは、一般的に次の算式で求めます。
売出株式比率=売出株式数/(発行株式数+売出株式数)
Chatworkの発行株式数や売出株式数は、次のようになっており、売出株式比率は92.9%になっています。
発行株式数 | 売出株式数 | 公募株式総数 | |
---|---|---|---|
株数 | 600,000株 | 7,900,000株 | 8,500,000株 |
投資家は、出資した資金が有効的に使われ、会社の成長に繋がり、リターンを得るという前提で投資を行いますが、Chatworkの場合は、投資をしても、そのほとんどが会社の成長のための資金に利用されないということになるため、投資家から人気が無かったということが推定できます。
2019年にIPOを達成した会社の売出株式比率と初値騰落率の関係は、次のとおりになります。
表1 売出株式比率と平均騰落率の関係(IPO AtoZ調べ)
売出株式比率 | 社数 | 公募割れ社数 | 公募割れ社数率 | 平均騰落率 |
---|---|---|---|---|
0~20% | 20 | 0 | 0 | 101% |
20%超~40% | 18 | 1 | 5.5% | 121% |
40%超~60% | 13 | 0 | 0 | 107% |
60%超~80% | 16 | 3 | 18.7% | 86% |
80%超~100% | 14 | 4 | 28.5% | 38% |
※ 平均騰落率は想定発行価格からの騰落率を計算しています
※ ステムリム除く(異常値のため)
表1によると売上株式比率が高いIPOであるほど、人気が無くなり、公募割れをする率が上がっていることがわかります。