規程集は、買いましょう!

会社の中には、インターネットで規程の無料サンプルを入手し、そのサンプルをダウンロードして、そのまま利用する会社があります。

しかしIPOを目指す会社は、あり得ません。重要なのは、規程条文の作成根拠や意図です。条文の作成根拠や意図が不明確なサンプルをベースにして、社内の規程として利用しようとすることはリスク大です。

規程のサンプル本を購入し、それを自社向けにカスタマイズして完成に繋げていくプロセスになりますが、どのような本を選べばよいのでしょうか。

規程のサンプル本を選ぶときのポイント

規程のサンプル本を選ぶときのポイント
  1. 各条文に対して、説明がビッシリある本を選びましょう
    • 規程のサンプルに書かれている各条文が、どのような背景もしくは法的解釈や裏付けなどから作成されたのかの説明できるようにすることは、極めて重要です。それを無視して、「規程のサンプル本に書かれた内容を何も考えずにコピペして作成しました」というような規程では、社内の納得は困難であり、実態や運営状況と離れてしまうリスクが増してしまい、規程の形骸化の可能性が高くなります。規程のサンプル内容について、しっかりとした説明をしている本は、自然に分厚くなってしまいます。
  2. 出来るだけ多数の規程サンプルがある本を選びましょう
    • 上場準備における規程内容に必要な点として、各規程間の整合性があります。各規程間の整合性をチェックする上場審査担当者の中には、送り仮名の使い方までチェックする担当者も存在します。各規程間の整合性の不備に関するリスクを低減するためには、多くの規程サンプル本を参考して規程を作成すべきではないと考えます。
  3.  出来るだけ、最近に出版改訂された本を選びましょう
    • 規程の内容は、会計基準の改定によって変化します。出来るだけ、直近に出版された本を選びましょう。

経理規程のサンプル本で有名なのは、経理規程ハンドブック(中央経済社)であり、ブログの中の人のイチオシです。

「経理規程ハンドブック(中央経済社)」をおススメする理由

「経理規程ハンドブック(中央経済社)」をおススメする理由
  1. 四大監査法人にあるトーマツが編集
    • 「餅は餅屋」です。経理規程のサンプルは、やはり監査法人か会計士が作成するものを選ぶべきだと考えます。
  2. 規程内容に影響するような会計基準の改定が行われる都度、改版している。
    • 上場審査でも、経理規程の内容は、会計基準の改定に合わせて、改訂しているかどうかのチェックを受ける可能性があります。最新版である第10版は、収益認識会計基準を反映しています。
  3. 分厚い!
    • 経理規程のサンプルにある細かな用語まで解説を丁寧にしています。だから本の厚さが分厚くなってしまいます。
  4. 経理関連する規程作りの参考本だけではなく、会計処理のマニュアル作りも参考となる章が存在
    • 経理部門は、会計処理マニュアルの作成が必須です。最新版である第10版から、会計処理マニュアルの章が追加されました。