関係会社の整理

上場をするためには、関係会社等を整理する必要があります。

関係会社とは、次で説明しています。ぜひご参考ください。

「関係会社」「人的関係会社」「資本的関係会社」とは【混乱しやすいIPO用語】

関係会社を整理しなければいけない理由は、主に以下のような理由です。

表 関係会社の整理が求められる主な理由

理由 内容
関係会社を使った不正を防止する ”飛ばし”という手法で損失を隠す不正が過去にあった(オリンパス等)。
発行価格に悪影響を及ぼす可能性がある 本業に無関係な事業を行っている会社は、事業特性が不明確になり、ロードショーで苦戦しがちになる。
リスクが増大する可能性がある 関係会社等の経営不振が原因で、グループ全体が経営危機に陥った事例が過去にあった(東芝等)
管理コストが増大する 関係会社等の管理コストに対する費用対効果をどのように考えているのか

IPOが延期した理由として、「関係会社の整理が進まなかった」というのは、相当な割合を占めているのは間違いありません。

関係会社を清算・売却・合併するという作業は時間を要し、また経済的損失を覚悟する必要が出てきます。

上場と関係会社

関係会社が以下のような状況になっていると、上場までに以下のような対応が求められます。

表 関係会社の状況と求められる対応

項目 関係会社の状況 求められる対応
存在意義 上場申請会社や他のグループ企業の事業シナジーがない。または存在の必然性に合理的理由がない関係会社 売却か清算、合併する。
業績 悪化、または赤字体質から抜けられない状態にある関係会社 再建計画を策定する。または売却か清算、合併する。
管理体制 連結決算体制や情報連絡体制が未整備な状態にある関係会社 管理体制の構築、または合併する。
取引 取引内容、取引条件などが公正ではない状態にある関係会社 取引を解消、または公正な取引に修正する。
資本 完全子会社ではない子会社である関係会社 完全子会社に移行する、または完全子会社にすることができない理由を説明できるようにする。
  • 存在意義の乏しい、または業績が悪く再建計画が策定できない関係会社等は、「売却」か「清算」になり、「合併」という選択肢をとれません。

関係会社の分析

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また関係会社等の整理に関する参考事例の情報も掲載しておりますので、ご参考ください。