大量保有報告書とは

会社の株式を大量に保有する者が買占めしたり、売却したりすると、株価に大きな影響が出る可能性があります。

そこで、投資家を保護する目的で「いっぱい買いましたよ~」とか「いっぱい売りましたよ~」ということを知らせる「大量保有報告書」という報告書があります。

これを出し忘れてしまいますと、提出を怠ると課徴金、つまり罰金を支払う事になります。

金融商品取引法第27条の26第1項で制度化されておりまして、EDINETで確認ができます。

大量保有報告書の提出義務者は、株主です。したがって課徴金は、会社ではなく、株主が支払うことになります。

以下のような株主が以下のような事をした場合、提出期限である5営業日以内に大量保有報告書または変更報告書を提出する必要があります。

大量保有報告書または変更報告書を提出する要件
  1. 発行済株式総数の5%超の株式を保有している株主(以下では、「大量保有者」といいます)が、株式を購入した結果、発行済株式総数に対する保有割合が1%以上増えた場合
  2. 大量保有者が、株式を売却した結果、発行済株式総数に対する保有割合が1%以上減った場合
  3. 大量保有者が、株式を売却した結果、大量保有者でなくなった場合
  4. 発行済株式総数の5%以下の株式を保有している株主(未保有者含む)が、株式を購入した結果、大量保有者になった場合
  5. 大量保有者の氏名や住所などの変更があった場合など

関東財務局のホームページが一番わかりやすく説明していると思います。

こちらになります。

大量保有報告書と持株会

従業員持株会や役員持株会は、大量保有報告書の提出義務が免除されます(「株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令」第4条)。

その一方、ほとんどの取引先持株会は大量保有報告書の提出が必要があります(平成 22 年3月 31 日金融庁総務企画局株券等の大量保有報告に関するQ&Aより。こちらになります。) 。

新規上場会社においては、上場日の当日の株式売買から、大量保有報告書の提出に留意する必要があります。

銀行の5%ルール

5%ルールとは、主に大量保有報告書の提出基準に関する用語で利用されますが、IPOを目指す会社にとりましては全く別の意味もあります。

銀行や証券会社等の金融機関は他の国内の企業の発行済み株式数の5%(生命保険会社は10%)を超えて取得することが原則禁じられているというものです。

どんな影響がある?
  1. 金融機関へ第三者割当増資を行おうとしても、5%以下しか割当が出来ない。
  2. 自己株式の取得などによって、発行済株式数が減少した結果、金融機関が保有している株式数が5%を上回った場合、急いで株式売却が必要になる。

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