上場有価証券の売買や、上場会社の開示に関して、極めて重要な法律であり、「金商法」と略していわれます。

未上場会社の会社の役職員にとっては、馴染みのない法律です。

しかしブログの中の人は、金融商品取引法違反を犯してしまったため、IPO準備が長期間ストップすることになってしまった会社を何社か知っています。

ほとんどの証券会社の公開引受部担当者は、初めて担当になった会社から書類内容を確認する際、いの一番に確認する項目のひとつが「金商法を抵触してない?」です。

担当することになった会社が何等かの会社法違反をしていても、ほとんどの場合は”無かったことにする術”を知っています。

しかし金融商品取引法違反があった場合は相当面倒になり、その時点でIPO準備は一時ストップになるということが多々あります。

金融商品取引法をわかりやすく

金融商品取引法は、ちょっと前まで証券取引法と言っていました。

もう、証券取引法は完全に金融商品取引法に移行されました。

金融商品取引法は、何の目的についての法律かと言いますと次の4つになります。

金融商品取引法の目的
  1. 投資者保護
  2. 開示制度の拡充
  3. 証券取引所の自主規制機能の強化
  4. 不公正取引への対応

IPOを目指す会社関係者にとって、金融商品取引法は「開示制度」に関する規則に関する法律として活用されます。

そしてIPOを達成すると「開示制度」だけではなく、「不公正取引」に関する規則に関与する法律です。

非上場会社にとって、金融商品取引法は、ほぼ無縁な法律であり、かつ極めて難解な法律ですが、上場を目指すにあたっては非常に重要な法律になります。

金融商品取引法は、日本にある法律の中で最も難解複雑な法律の1つでありまして、数多いる日本の弁護士の中で、金融商品取引法の内容すべてをスパスパっと端的に回答できる人は、極めて少数派であり、貴重な存在と言えると思います。

金融商品取引法に強い関係を持つ法律は、主に次のような法律になります。

金融商品取引法に関連が強い法律や規則
  1. 金融商品取引法施行令(略して「金商法施行令」ともいいます)
    • 金融商品取引法の詳細なところや実務的なことをカバーしているようなイメージです。
  2. 金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(略して「定義布令」ともいいます)
    • 金融商品取引法にある用語は、ムチャクチャ多くあります。その中の用語ひとつひとつの定義がこちらでされているというイメージです。
  3. 企業内容等の開示に関する内閣府令(略して「開示布令」ともいいます)
    • Ⅰの部や有価証券届出書等の記載内容を定めています。
  4. 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(略して「財務諸表等規則」ともいいます)
    • 上場会社の会計は、金融商品取引法に則った会計が求められます。

IPOに向けてⅠの部等の上場申請資料を作成する際、これらの法律規則の条文を頻繁に確認することになります。

これらの法律規則は毎年のように一部改正が行われています。

金融商品取引法のポイント

非上場会社が金融商品取引法違反を犯す典型的なところは、ストックオプションを発行するときです。

こちらで詳しく説明しています。ぜひご参考ください。

募集【IPO用語】