IPOによるファイナンス規模は、グリーンシューオプションによってさらに増大できます
グリーンシューオプションとは
オーバーアロットメントによる売出しが実施された場合、オーバーアロットメントをするために借り入れた株式等の返還をするために、主幹事証券会社が行使する権利のことをいいます。
つまりグリーンシューオプションを理解するためには、まずオーバーアロットメントの理解が必要になります。
オーバーアロットメントに関する説明は、こちらになります。
グリーンシューオプションの定義は、日本証券業協会「有価証券の引受け等に関する規則(第2条21号)」にあります。
グリーンシューオプション
引受会員が元引受契約の締結に当たり付与を受ける、募集又は売出しに係る株券等と同一銘柄の株券等を当該株券等の発行者又は保有者より取得することができる権利をいう。
IPO直後の株価は、会社の実力や市況等に関係なく、大きく動く場合があります。
引受証券会社(通常は主幹事証券会社)は、IPO後に株価が著しく上昇している局面において、自らが売出人となり、株価安定を目的として、追加売出を行うことができるようになっています。
追加売出し分の株式については、借入れで調達する必要がありますが、その調達方法として、会社や大株主などから、追加で株式を取得する権利(グリーンシューオプション)を行使する方法があります。
グリーンシューオプションについては、以下のようなルールがあります。
「有価証券の引受け等に関する規則」第29条2項・3項の要約
- グリーンシューオプションの数量は、原則オーバーアロットメントの数量と同じとなります。ただし、オーバーアロットメントの数量が当初予定していた数量に満たなかった場合、行使できるグリーンシューオプションの数量は、オーバーアロットメントの実際の数量が上限となります。
- グリーンシューオプションの行使期間は、IPOの募集・申込期間の終了日の翌日から最長30日間です。
グリーンシューオプションとシンジケートカバー取引
グリーンシューオプションは、IPO後の株価が著しく上昇した場合に活用する手法ですが、一方、IPO後の株価が不振な場合は、シンジケートカバー取引を活用する場合があります。
シンジケートカバー取引の説明はこちらになります。