グループ経営を行う会社は、理解が必要です(単なる子会社管理ではありません)。

グループガバナンスは新しい用語であり、経済産業省が2019年6月28日に策定した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)」(以下「ガイドライン」といいます)にその詳細な内容が定められています。

ガイドラインでは、グループガバナンスを重要視する背景を以下のように示しています。

背景・問題意識のまとめ
  • グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みを強化していくためには、「コーポレートガバナンス改革」が重要課題の一つであり、上場企業におけるガバナンス強化に関する取組は、社外取締役の導入を中心に着実に進展しつつあり、コーポレートガバナンス改革は「形式から実質へ」の深化が求められるフェーズに入っている。
  • 上場企業の外国人投資家比率が3 割を超える中、グローバル水準のガバナンスへの期待が高い。一方、ROA(総資産利益率)は、上昇傾向にあるものの、欧米と比べれば未だに低水準であり、更なる取組が必要である。
  • 海外における M&A を含めた機動的な事業ポートフォリオマネジメントなどの「攻め」のガバナンスの重要性が高まっていることに加え、昨今の子会社不祥事問題を契機に、グループ経営における「守り」としての子会社管理の実効性確保が問題となるなど、日本企業のグループガバナンスの在り方が新たな課題となっている。
  • 実際の経営はグループ単位で行われている一方、従来のガバナンスの議論は、法人単位(グループでいえば親会社本体) が基本であった。つまり、グループ経営に実効的なガバナンスの在り方についての議論が不足していた。など

グループガバナンスの位置づけは、以下のように説明しています。

位置づけ
  • 子会社を保有しグループ経営を行う企業においてグループ全体の企業価値向上を図るためのガバナンスの在り方をコーポレート・ガバナンス・コードと整合性を保ちつつ示すことで、コーポレート・ガバナンス・コードを補完するもの。
  • ガバナンスに関する課題解決のために何をすべきかについては企業グループごとに異なるものであるため、ガイドライン記載の取組を一律に要請するものではない。

ガイドラインは、以下のような内容について定めています。

ガイドラインの内容
  1. グループ設計の在り方
  2. 事業ポートフォリオマネジメントの在り方
  3. 内部統制システムの在り方
  4. 子会社経営陣の指名・報酬の在り方
  5. 上場子会社に関するガバナンスの在り方

IPOを準備する会社にあたっては、「1.グループ設計の在り方」「2.事業ポートフォリオマネジメントの在り方」「3.内部統制システムの在り方」がポイントになると思われます。