ロックアップは、株主が上場後から一定期間、継続保有する規制や契約のことです。

ロックアップとは

ロックアップは、IPO前から株を保有している株主(特に大株主や役員、ベンチャーキャピタル、事業法人)が、IPO後の一定期間、株式売却ができないようにすることです。

ロックアップには、2つの目的があります。

【目的1】 IPO直後の株式の需給悪化を防ぐため

株価は、需給のバランスで形成されます。株式の供給が需要より多くなる不安が大きな株式は、株価は下がります。

大株主が保有する株式にロックアップさせて、株式の供給量を抑えるとアピールすることで、投資家は株価向上を期待して投資ができるようになります。

ロックアップが多ければ多いほど、IPOセカンダリーは人気が出やすくなります。

これは主幹事証券会社との間で相談して決めることになりますが、株主間での調整や意見収集が必要になります。

【目的2】 自社株式売買による短期利得を防止するため(ロックアップ規制)

例えば、IPO直前にオーナー社長へ第三者割当を行って、IPO直後に株式売却するような行為、つまりIPOを食い物にするような行為を防ぐ必要があります。

そのようなことを防止するためにいわゆる「ロックアップ規制」が存在します。

ロックアップ規制については、東証「有価証券上場規程施行規則 第255条」および日本証券業協会株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則 第2条第2項3号」にあります。

ロックアップ規制について
「有価証券上場規程施行規則 第255条」の要約①

直前期末日から遡った1年間において、第三者割当等で株式の割当てを行っている場合には、割当てを受けた株式を上場日以後6か月間を経過する日まで、株式を売却できません

「有価証券上場規程施行規則 第255条」の要約②

上場日から遡った6カ月間において、第三者割当等で株式の割当てを行っている場合には、割当株式に係る払込期日又は払込期間の最終日以後1年間を経過する日まで、株式を売却できません。

「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則 第2条第2項3号」の要約

PO時に親引けを行うと、払込期日もしくは払込期間の終日、または当該売出しに係る受渡期日から180日を経過する日まで、親引けで割当を受けた株式を売却できません。

ロックアップ規制のポイント

ロックアップ規制に関する主なポイントは、次のとおりになります。

  • あくまでも第三者割当等で割り当てられた株式であるため、「種類株式を転換した株式」や「既存株主から購入した株式」は、規制対象外になります。
  • ひとりの株主が「ロックアップ規制がかかる株式」と「ロックアップの規制がかからない株式」を混在して保有する事になるケースは多々あります。「ロックアップ規制がかかる株式」と「ロックアップの規制がかからない株式」を、別々に管理できる証券会社と管理できない証券会社があります。
  • 従業員持株会」へ親引けすると、ロックアップ規制にかかることになります。上場後6カ月間は、従業員持株会会員の退会処理実務が実質的にストップしてしまいます(つまり、退会者が出たとしても、上場後6カ月間は退会ができず、休会扱いになります)。

ロックアップ違反の事例

2020年8月に東証マザーズへ上場した株式会社モダリスの大株主が、うっかりロックアップ違反をしてしまいました。

その件について、こちらでまとめていますので、ご参考下さい。

【モダリス】ロックアップ違反【IPO事例】