上場承認後に投資者へ提供するために作成する書類です。

目論見書とは

目論見書の読み方は、「もくろみしょ」といいます。

金融商品取引法第二条第10項に定義されておりまして、金融商品取引法第13条において、機関投資家向け以外に募集や売出しをする際は、目論見書の作成が定められています。

目論見書は、証券会社を通じて、勧誘する個人投資家などに配布する書面です。

個人投資家等は、目論見書の内容を確認して、株式購入の意思を示します。

上場承認日の約2週間前が校了日として設定されるケースが多くあります。またグローバルオファリングをする場合、校了日が前倒しになる場合もあります。

目論見書の記載内容のほとんどは、有価証券届出書やⅠの部の内容と1字1句同じ内容になります。

つまり実質的には、目論見書の校了日が有価証券届出書とⅠの部の校了日と同じになります。

有価証券届出書とⅠの部については、こちらで説明させていただいています。

有価証券届出書の説明では、有価証券届出書とⅠの部、目論見書の違いについても説明しています。

有価証券届出書【IPO用語】

Ⅰの部・Ⅱの部【IPO用語】

IPOにおける目論見書

目論見書とは一般的に200ページ程度のカラーで印刷され、どの会社がIPOをするときでも数百冊~数千冊という単位で作られます。

通常、上場承認日の2週間前程度に校了日を迎えます。

その留意点は、主に次の2点です。

目論見書に関する主な留意点
  1. 想定発行価格や想定仮条件、スプレッド、幹事証券など目論見書に記載する項目は、校了日までに決める
    • 目論見書の校了日までに目論見書の内容を決定するということは、当たり前の話のように思えます。しかし、実は上場承認日までに決めればよいと誤解する経営者は、過去に何名もいらっしゃいました。想定発行価格やスプレッドなどは、上場承認日までではなく、目論見書の校了日までに決めることになります。
  2. 校了日付近に経営者ヒアリングがある
    • 想定発行価格やスプレッドなどの設定は、主幹事証券会社との相談で決定されますが、それは創業者利潤の大きさにも関係することから、何度も何度も打ち合わせをするなど、時間がかかったり、もめるケースも多々あります。
    • そのような時期と、上場審査での経営者面談が重なります。経営者への面談リハーサルを主幹事証券会社の公開引受担当者が中心となってサポートしますが、ボロカスに言われる場合があります。想定発行価格等の検討と面談リハーサルが重なり、主幹事証券会社に対する印象を悪化させる経営者は少なくありません。

目論見書をどうやって確認するか

ブログの中の人は、全てのIPOの目論見書を一覧で整理しているウェブサイトなどを確認できませんでした。

しかし「●●株式会社 目論見書」としてググれば、ほとんどの会社の目論見書が検索できると思います。

なお、Ⅰの部は東証のホームページから全て検索でき、有価証券届出書は過去5年分だけEDINETで検索できるようになっています。