社外取締役の義務や要件がすこし変わります。

会社の不祥事が発生する都度、社外取締役の重要度が増しています。

この度、社外取締役に関して、以下のような改正が行われることになりました。

表 社外取締役に関する会社法改正

現行 改正後 関連条文
業務執行 社外取締役が業務を執行することが一切認められていない 会社と取締役・執行役の利益が相反する状況にあるとき、または取締役・執行役の業務によって株主の利益が損なうおそれのある時は、社外取締役に業務の執行を委任できる 348条の2
義務化 監査役会設置会社かつ大会社は、社外取締役を設置していない場合、その理由を説明しなければいけない(注) 上場会社等(監査役会設置会社)には、義務化される(監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社は、そもそも義務化されている) 327条の2

注:東証では、上場規程やコーポレートガバナンスコードにおいて、取締役である独立役員を設置する努力義務が定められています。

現法では、社外取締役の努力義務レベルであるため、社外取締役を設置していない上場会社が存在しますが、会社法が改正されると、社外取締役を設置していない会社は、会社法違反になり、最悪のケースとして、取締役が善管注意義務違反を問われることになるだけではなく、100万円以下の過料に処せられます(976条19号の2)。

ポイント

IPOを目指す会社は、取締役である独立役員を設置するだけではなく、万が一のことを考え、補欠取締役(329条3項)の設置を検討する会社が増加すると考えられます。