プロは、これを使っています。
ブログの中の人が証券会社で勤務していた時、税制適格ストックオプションのつもりでストックオプションを発行していたものの、税制適格ストックオプションとしての要件を満たさなかったため、ストックオプションの割当を受けた恩恵が少なくなってしまったという事例を多々みてきました。
これはIPOを目指すベンチャー企業だけではなく、東証一部の上場企業にもありました。
ストックオプションとは、税務、会社法、金商法、会計、証券事務、労基法、登記法、さらには東証規則や上場審査の動向、近年ではマイナンバー法にも関与が出るなど、幅広い知識見識が必要であるため、未経験者がインターネットでストックオプションのテンプレートをダウンロードして、ストックオプションを発行するのはリスクが大きすぎます。
ストックオプションは、法的・税務的・実務的な落とし穴がいくつもあります。
ストックオプションについては、主幹事証券会社へ情報助言を依頼することが一番の手段ですが、最終的には発行会社の責任になるため、外部への丸投げはいけません。
そこでストックオプションを導入する際は、市販本を購入して、内容を調べながら作業を進めていくことが肝要です。
ストックオプションの本を選ぶときのポイント
ストックオプションの本は多くありますが、次のようなポイントで選択することをおススメします。
- 出来るだけ、直近に出版・改版された本を選びましょう
- 近年、ストックオプションを含む役員報酬に関する税務や法律が毎年のように改正されています。出来るだけ、直近に出版・改版された本を選びましょう。
- 新株予約権について、色々な使い方が記載されている本を選ぶ方が良いです
- 新株予約権は、色々な使い方で使われています。税制適格ストックオプションだけではありません。「新株予約権って、こんな使い方が出来るのか」というヒントを得ることが出来る本を選ぶことをおススメします。
ブログの中の人がおススメの1冊は、「新株予約権ガイドブック(商事法務)」になります。プロが一番使っている本だと思います。
「新株予約権ガイドブック(商事法務)」をおススメする理由
この本は上場後にも使えますし、またストックオプション以外の新株予約権を使ったファイナンスについても説明されています。
- ストックオプション関連の法律などが改正される都度、改版されている
- 本ブログを書いた段階では、第4版です。
- 基本が全て詰まっている
- ストックオプションは、”割当てすれば、全て終わり”ではありません。ストックオプションを割当てした後に「退職者が出ればどうすればよいのか?」「新株予約権を消滅、消却するときは、どうするのか?」「会社が上場したら?」「権利行使期間が満了したら?」など、数年単位での実務が発生します。この本は、導入後の手続きや法的な考えなどが、網羅されています。
- 新株予約権を使った資本政策について、学習が出来る本である
- 新株予約権の使い方は、税制適格ストックオプションだけではなく、資金調達手段やM&Aにも使えます。本書を編集した弁護士は、武田薬品工業によるシャイアー社買収案件などの大型M&Aに携わっているエース級弁護士でして、本書はストックオプションの説明よりむしろ、新株予約権を使ったファイナンス等にページを多く使われています。