複数の事業を展開している会社は、各事業のシナジーや業績状況、将来性などの違いによって、いろいろな施策を検討します。

2020年3月2日に上場したカーブスホールディングスの株式を90%保有するコシダカホールディングス(以下「コシダカ」といいます)、カーブスホールディングス(以下、「カーブス」といいます)をIPOさせるにあたって、「株式分配型スピンオフ」という方式を使いました。IPO時に、この方式を採用した事例は過去にはありません。このブログでは、簡単に紹介させていただきます。

カーブスホールディングスの株式分配型スピンオフ

まずカーブスホールディングスのIPO時に採用した「株式分配型スピンオフ」の概要は、以下のようなことです。

カーブスホールディングスの「株式分配型スピンオフ」
  • コシダカが特定子会社であるカーブスを独立させる。カーブスを独立させる際、カーブスの株式をコシダカの株主へ交付する。
  • カーブスの株式は、コシダカの株主へ現物配当(金銭以外の配当)として、交付される。

株式会社コシダカホールディングス/株式分配型スピンオフ(子会社株式の現物配当)について

出所:株式会社コシダカホールディングスのホームページより

株式分配型スピンオフのメリット

コシダカは、株式分配型スピンオフに対し、以下のようなメリットがあると述べています。

株式分配型スピンオフのメリット(出所:株式会社コシダカホールディングスのプレスリリースより引用)
経営の独立による効果
  • 親会社の経営者は中核事業に専念することが可能となる
  • スピンオフされた会社は迅速、柔軟な意思決定が可能になるとともに、経営者や従業員のモチベーションの向上が期待できる
資本の独立による効果
  • スピンオフされた会社の独自の資金調達により、必要な投資が実施可能となる
  • 一方の会社のみを対象として第三者が出資することが容易となる
  • スピンオフされた会社の株式の価値に連動した株式報酬の導入が可能となる
上場の独立による効果
  • 各事業のみに関心のある投資家を引き付けることが可能となる
  • 各事業が個別に評価されることが可能となる

株式分配型スピンオフに関する税制改正

政府は、機動的な事業再編を促進するため、株式分配型スピンオフに関して、平成29年に税制改正を行っています。

【株式分配型スピンオフにおける株式の譲渡損益や配当に課税されていた ⇒ 適格要件を満たせば、課税対象外に税制改正】

スピンオフによる株式の分配を現物配当として交付を受けた際に課税が生じないように法改正がなされており、カーブスのIPOはその適用が初めてのケースのようです。

コシダカが選択した方法は、税務面のメリットもあり、今後、子会社上場を考える会社は、株式分配型スピンオフが大きな選択肢のひとつになると思われます。

株式分配型スピンオフに関する参考資料

こちらに経済産業省の参考資料があります。

経済産業省 【「スピンオフ」の活用に関する手引