アミファの目論見書

2019年9月19日にジャスダックへ上場した株式会社アミファの目論見書には、以下のような記載があります。

⑨ 株主総会の特別決議要件(株式会社アミファの目論見書より)

当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。

アミファは、IPOの前に「定足数」というものを緩和しています。

IPO前にこの決議をしている事例は多々存在しておりまして、珍しい事例ではありません。

ここでは、「定足数」について説明させていただきます。

定足数とは

定足数とは、会議で議事を進め議決するのに必要最低限の人数をいいます。

会社においては、株主総会や取締役会でも定足数を定めたうえで運営されます。

会社法では株主総会決議の定足数について、次のように定めています。

表 株主総会決議における定足数

普通決議 特別決議
原則 議決権の過半数 議決権の過半数
定足数を過半数から増やすこと
定足数を過半数から減らすこと 1/3まで可
定足数の定めをなくすこと 不可

この他に株主総会には、特殊決議がありますが、特殊決議については定足数に関する規則がありません。

アミファの場合は、赤字の箇所について、会社法で定められた限界いっぱいまでに変更をしています。

定足数の緩和

非上場会社のときは、株主数が少数であるため、株主総会の決議がどういう形であれ、定足数をクリアできるケースがほとんどです。しかし上場会社になると、株主数が不特定多数になるため、大きく変化します。

株主総会招集通知を郵送しても、わざわざ交通費を出してまで、出席するような株主は限定され、さらに議決権行使書の返信が面倒という理由で議決権行使をしない株主が大勢出てきます。

つまり上場会社になると、定足数が足りず、株主総会で何も決めることができなくなるリスクが発生してきます。

株主総会で特別決議が必要となる議案というのは、資本金の減少や株式の有利発行など、非常に重要な決議ばかりになります。

定足数を緩和する主な狙いは、特別決議という重要な株主総会議案に対して円滑に進めるためになります。

このような定款変更をIPO準備段階で行ってみてはいかがでしょう。