2021年6月に千葉県八街市で飲酒運転状態にあったドライバーが運転するトラックが、小学生の列に突っ込み、複数の小学生が犠牲になりました。
そのドライバーが勤務する運送会社は、乗車前後にアルコールチェックを行っていなかったようです。
もし、上場を目指す会社の社員が、社用車でこのような事故を起こしてしまった場合、上場準備どころではありませんし、特に社用車を多く保有しているような会社の中は、八街市の事故を対岸の火事とは思えません。
ご存知の通り、道路交通法は、大きな事故や社会問題があれば、それに合わせて改正される事例が多くあります。
近年では、煽り運転による社会問題、高齢者ドライバーによる母子死亡事故です。
千葉県八街市で飲酒運転事故現場に菅総理大臣が献花したことからも、この事故は道路交通法の改正を促す事故に扱われたものと予想できます。
一方、社用車を保有する会社では、どこの会社でも大小問わず、事故がつきものだと思います。
交通事故を起こした際、「事故をしないように気をつけろ!」「運転に集中しろ!」という指示命令くらいで交通事故が減少するほど甘くありません。
ここでは、ある大手運送会社(以下、「クロネコ社」といいます)の安全に関する取り組みを紹介させていただき、社用車をお持ちの会社にとりまして、参考になればと思い紹介させて頂きます。
なお、このブログ記事の内容は、既に古くなっているかもしれません。またブログの中の人が知る事業所や拠点のローカルな安全管理なのかもしれないことをご理解いただきますようお願いします。
ちなみに、クロネコ社によく似た会社の安全運転マネジメントに関する内容は、こちらで公表されています。
クロネコ社の状況
クロネコ社は、全国に約4万台の車両を保有している国内最大級の運送会社です。
残念ながら、これだけ多くの保有台数があれば、現在も毎日のように大小問わず事故を起こしています。
ちなみにクロネコ社では、2019年に2件の重大交通事故があったようです。
重大交通事故の定義には、いろいろな交通事故が存在しますが、クロネコ社の車両が原因となる重大交通事故とは、死亡者や重傷者が出るような重大な人身事故であると考えてよいと思われます。
クロネコ社の安全運転研修では、自社のドライバーが起こした死亡事故の事例を徹底して取り上げています。
クロネコ社の社員の多くが知っている死亡事故事例は、兵庫県で起きた交通事故です。
その交通事故は、左折しようとしたクロネコ社のトラックが、横断歩道を歩く子供を巻き込んだ事故でした。
その死亡事故が起きた直後から、クロネコ社はその周辺地域から出禁になっています。
現在、その地域に荷物の集配をする際、トラックを周辺地域住民に見られないような地域へ駐車させ、荷物を台車に移し替えて運んでいます。つまり、たった1個の荷物を運ぶために、その地域担当者は数百メートルも台車、または手で運んでいるということになります。
さらに、その地域へ荷物を運ぶドライバーは、ユニフォームを別のユニフォームに替えて、荷物を運んでいます。
別のユニフォームとは、有名なクロネコ社のマークが入っていないユニフォームです。
ドライバーになるまでのプロセス
クロネコ社は、ドライバーになるまでに主に次のようなプロセスがあります。
入社前のプロセス
入社を希望する人に対しては、履歴書の審査、そして面接があります。
その面接をクリアすると、講習と試験を受けることになります。
講習とは、クロネコ社の経営理念や安全への取り組みを中心にしたものになります。
試験とは、書面での試験と、ドライバーとして最低限の技量を測るために、複数の計測器による試験になります。
この計測器は、個人の性格や、運転時のクセを把握することが主な目的になっています。
例えば、「あなたは、右側に注意が集まりすぎており、左側への注意が疎かになっています」というものです。
試験をパスして内定すると、所轄の警察に行き、運転記録証明書を入手して、提出することになります。
運転記録証明書とは、過去5年間、3年間又は1年間の交通違反、交通事故、運転免許の行政処分の記録について証明した書類です。
もし、飲酒運転をした記録があれば、内定が取り消されます。
入社直後のプロセス
入社が決まり、事業所に配属された後、暫くの間、指導員という社内資格を持つベテランドライバーの”横乗り”を行います。
横乗りとは、自動車を運転せず、助手席に座り、荷物の運搬を手伝いする人です。
横乗りをしながら、クロネコ社の運転ルールや、担当する地域の特性について学ぶことになります。
一定期間の横乗りを終えると、指導員からの指導をされながら、運転を開始します。
運転日誌をつけ、その日誌は所属長や事業所長へ回覧されます。
社内免許試験
一定期間の横乗りを終え、指導員や事業所長等からの許可が出ると、社内免許試験を受験できるようになります。
クロネコ社の社内免許は、全車種のトラックを運転できる免許、オートマティック車両限定免許、ミニバン車両限定免許になっています(その他にも、自転車の免許もあります)。
全車種のトラックを運転可能な免許の取得は、ハードルが高く、ブログの中の人が訪問した時、全員、試験を落ちていました。
試験に合格すると、その翌日からドライバーになり、一人で荷物の集配が出来るようになります。
日々の交通安全対策
クロネコ社は、安全のために毎日乗車前、乗車時、乗車後に次のようなことをしています。
乗車開始前
乗車前にドライバーは、機械を使ったアルコールチェックと点呼を行います。
点呼とは、運行管理者が対面でドライバーに対して、体調や睡眠時間、飲酒時間などを質問した上で、ドライバーに問題が無ければ、社用車の運転して良いと許可を与えるプロセスです。
「体調が悪くなれば、どんなに多くの荷物が残っていようが、仕事を中断して帰ってこい」と何度も言われます。
点呼の終了時には、握手を行います(現在は、コロナ蔓延により、握手を行わなくなったようです)。
握手は、ドライバーの体温チェックが主な目的で行われます。
乗車時
クロネコ社の車両には、安全運転管理のために2つの機器が備え付けられています。その紹介と、運転時の基本動作を紹介させていただきます。
車載カメラ
クロネコ社には、車両の前方を映すカメラ、車両の後方を映すカメラ、そしてドライバーを睨み続けるカメラの3つのカメラがあり、それぞれ録画されています。
運行管理者は、各事業所でカメラの映像を適宜確認することが可能になっており、ドライバーの運転状況をモニタリングしています。
そしてドライバーが帰った後、「ウインカーを出すタイミングが遅い!」「左折時に後方確認が甘い!」などの指摘を行います。
もし、”ながら運転”をしている映像があれば、非常にキツーイ注意があります。
運行記録機器
車両には、運行を記録する機器が備え付けられています。
その機器からは、主に次のような内容が出力されるような記録がされています。
帰社後の点呼を行う際、その記録を運行管理者に提出します。
- 出庫時刻と帰庫時刻
- 平均時速と最高時速
- 単に平均速度や最高時速が出力されるだけではなく、縦軸を車両の速度、横軸を時間とする折れ線グラフが出てきます。
- 右折回数、左折回数
- 右折時は、左折時よりも確認箇所が増えます。そこで車両の右折を減少させ、出来るだけ左折するようなルートで荷物を集配するような取り組みを行っています。
- バック回数、バック距離
- クロネコ社の車両が起こす事故の中で、バック事故の割合が多いです。そこでバック回数のモニタリングをしています。
- (確か)5m以上のバックをした場合、「(確か)バック!」とアナウンスが発生されます。どうしても長い距離をバックしなければいけなくない場合は、一気にバックするのではなく、細かく区切ってバックすることになります。
- 停車回数
- 車両事故の中には、車両のスタート時の事故があります。車両の停車回数を減らせば、スタート回数を抑えることに繋がるため、停車回数をモニタリングしています。
- 停車時の動作手順
- クロネコ社は、停車する時の動作手順が決まっています。その手順通りに停車しなければ、アラートが出てきます。例えば、サイドブレーキをせずにエンジンを停止すると「サイドブレーキ!」と声でアナウンスが出てきます。停車時の動作手順については、後で説明します。
- 車両の振動、急ハンドル、急ブレーキ
- 急ブレーキをすると「急ブレーキ!」、急ハンドルをすると「急ハンドル!」とアナウンスが出てきます。大きな振動も同様なアナウンスが出てきます。
- 急ブレーキや急ハンドルをすると、その瞬間の車両前方カメラのモニター動画が自動的に事業所へ送信されます。事業所にいる運行管理者は、速やかにそのカメラモニター動画を確認し、事故の有無やドライバーの運転態度等に問題が無かったかをチェックします。
運転時の基本動作
右折時、左折時、発進時には、確認ポイントを指差呼称をして、運転を実施します。
指差呼称の重要性に関する情報は、こちらのサイトが参考になります。
運行管理者は、カメラの動画を通じ、指差呼称を怠っていないかどうかをチェックしています。
乗車終了後
ドライバーが帰社すると、再びアルコールチェックをし、運行を記録する機器から出力された用紙を持参して、ドライバーと運行管理者の間で点呼が行われます。
ドライバーは運行管理者から、「運転速度が速すぎる!」「停車回数が多すぎる!」などの指摘を受けます。
急ハンドルや急ブレーキ、距離のあるバックなどがあれば、その原因や回避方法などについても、指摘を受けます。
点呼終了後、当日および2~3日中に社内で事故があった場合、その事故が発生した瞬間の動画を見て、事故理由について話し合います。
交通安全に関する人事
クロネコ社のドライバーに関する人事には、安全遵守実績が大きく影響を受けます。
主に次のような点があります。
事故を起こしたドライバーの処遇
事故を起こしてしまうと、一定期間の運転を自粛することになります。
その自粛期間の決定は、主に次のようなファクターにより左右されます。
- 事故の発生原因
- 事故の大きさ
- 事故を起こす前の運転態度や事故実績
運転を自粛する期間は、最短で2週間程度、最長は無期限のようです。
自粛期間は、横乗り、または事業所で仕分作業をしながら、再指導を受け、反省文を書き続けます。
給与体系
クロネコ社の社員の給与は、主に3段階に分かれています。
「固定給」「ドライバー手当」「荷物を集配した量に比例する成果報酬」です。
事故を起こすと、一定期間、ドライバー業務を停止することになりますが、その間、「ドライバー手当」と「荷物を集配した量に比例する成果報酬」がゼロになります。
「ドライバー手当」と「荷物を集配した量に比例する成果報酬」は、月給の半分強を占めています。
つまり事故を起こしてしまうと、収入が半減してしまいます。
懲戒処分事由
クロネコ社のドライバーの自動車運転に関する懲戒処分事由は、2つだけです。
それは「隠蔽」と「飲酒運転」です。
ちなみに飲酒運転の場合は、その飲酒レベルに関係なく、懲戒解雇になります。
飲酒運転は、プライベートでの運転でも同様に懲戒解雇になります。
またクロネコ社は、小さな事故でも隠蔽せず、正直に申し出をすることを最重要視しています。
つまり、どんなに大きな交通事故を起こしても、正直に会社へ報告し、飲酒運転さえ行っていなければ、懲戒処分されません。
さらに丁寧に言いますと、大人数に多大な被害を与えるような大事故を起こしても、飲酒運転ではなく、正直に言えば懲戒処分されない一方、軽微な物損事故でも隠蔽すると懲戒処分されるということです。
交通事故が起きてしまうと、初動対応が最重要です。隠蔽をしてしまうと、初動対応が遅れてしまうための措置のようです。
ドライバーが事故した後、正直に申し出すると、「正直に言ってくれて、ありがとう」という言葉が運行管理者(支店長や副支店長)から出てきます。
この考えは、交通事故に限らず、極めて重要であり、どの会社でも参考にできる考えであると思います。
事故の主な発生原因とその対策
クロネコ社は、事故ゼロを目指していますが、約4万台の車両が毎日走っていると、そのハードルは極めて高く、人が運転している限り、事故ゼロは、ほぼ不可能です。
そこで、事故を起こす原因を分析し、事故発生原因トップ3を優先して潰す活動を実施しています。
クロネコ社では、これを「3大事故原因」と言っています。
この「3大事故原因」による事故発生件数を合わせると、全体の過半数を超過しているらしく、クロネコ社は、これらの原因による事故を撲滅すれば、事故が半減すると考えています。
次に3大事故原因と事故防止対策を紹介します。
バック事故
車をバックする時に発生する事故をいいます。
クロネコ社の車両には、後方にもモニターカメラがありますが、バック事故は事故原因の中で毎年トップクラスのようです。
バック事故を防ぐために主に次のような取り組みを行っています。
【バック事故を無くす対策】
- バック回数を減らす・ゼロにする
- バック事故を無くすための究極の対応策は、バック運転をゼロにすることになります。
- 対抗車両が来ると、バックしなければいけなくなるような狭い道に進入することは、原則ダメです。
- クロネコ社では、バックを行ったドライバーに対し、運行管理者が「なぜバックをしたのか?」をドライバーに問い詰めています。
- バックする時の基本動作を徹底する
- バックする時は、ドライバーは降車して安全確認することが決められています(しかし、ほとんどのドライバーは、降車してまで安全確認をしていないと思われますが。。。)。
- バックブザー(「ピーピーピー」の音)を5回以上聞いてから、バックを開始する。
- バックは5m以上のバックを一気にせず、細かく区切りながらバックする。
- 窓を開ける。
- 事業所では、車庫入れする際、誰かに誘導してもらわなければいけない。など
観光バスの大手である中央交通がバック時のルーティンをYoutubeで紹介しています。ご参考ください。
自走事故
↓のような事故であり、ドライバーが車両を離れた後に、車両が動き出して起こる事故です(なお、動画は、クロネコ社の車両の事故ではありません)。
クロネコ社の車両は、ミッション車の割合が減り、オートマティック車の割合が増えていますが、今も自走事故が発生しています。
【自走事故を無くす対策】
クロネコ社は、自走事故を防止するために車両の停車手順が決めています。
- ギアをパーキング(ミッションの車両の場合は、ローまたはバック)に入れる
- サイドブレーキを2回引く
- ハンドルを左に切る
- エンジンを止める
- 輪止めをする
クロネコ社では、上の手順の頭部分を縦読みして「ギサハエワ」で覚えさせられます。
「ギサハエワ」の順序で停車しなければ、車内に取り付けられている機器から、アラートが発せられます。
ハンドルを左に切る理由は、主に2つあります。
- 車両が自走をしても、道の溝へ脱輪させたり、壁に衝突させることにより、自走事故を最小限にする
- 発進時に右へハンドルを切ることで、自然に右前方や右後方に目線を運ばせる
クロネコ社のドライバーは、自分の自家用車を運転する際も、停車時にハンドルを左へ切るのが職業病になっています。
また、クロネコ社は、安全統括部門の担当者が、街中を回り「ハンドルを左切りしているか」と「輪止めをキチンとしているか」などについてパトロールしています。
高さ事故
高さ事故は、トラックや特装車等の大型車両特有の事故です。
↓のような事故です(なお、動画は、クロネコ社の車両の事故ではありません)。
商店のテント、標識、街路樹などに衝突する事故が多くあります。
クロネコ社の車両が高さ事故を起こすと、冷凍・冷蔵用のファンが故障し、修理費用が多額になります。
【高さ事故を無くす対策】
高さ事故を防ぐためにクロネコ社では、運転するマップを作り、高さ事故を起こすリスクが低いルートのみを走行するという取り組みを行っています。
交通事故を起こしやすい人が行っている運転とは
クロネコ社は、ドライバーに対して、事故を起こしてから注意をするのでは遅いと考えており、日ごろの運転態度や姿勢を重視しています。
しかし、残念ながらクロネコ社のドライバーの中には、いくら注意しても、繰り返し事故を起こしてしまうドライバーが存在します。
そのようなドライバーの特徴は、次のようになっているようです。
- バック回数が多い
- バックの運転に自信を持つ人ほど、バックする時の基本動作を疎かにする傾向があり、バック事故を起こしてしまう傾向があるようです。
- バック事故を起こした場合の自粛期間は、非常に長くなります。
- 右折回数が多い
- 右折時は、左折時よりもチェック箇所が多くなり、左折時より右折時の方が多くなっています。右折回数が多いドライバーは、危険運転の回避能力が低いと評価されます。
- 停車回数が多い
- バック事故や自走事故も含め、交通事故は、停車または発車する際に起きる事故が多くなっています。
- 1個だけの荷物を運ぶために、1回停車するのではなく、複数個の荷物を運ぶことを原則となっています。つまり、100個の荷物を運ぶために車を100回停車することは否定されています。
- 平均速度が速い
- 平均速度が速い人は、運転が荒いと見做されます。
- クロネコ社では、平均速度を30km/h未満で走ることを求めています。
これらの内容については、乗車終了後の点呼で注意されます。
クロネコ社では、日頃の運転態度に問題がある人と問題が無い人では、処遇が異なります。
例えば、事故を起こした人に対する運転停止日数は、日頃の運転態度が大きな影響を与えます。
上場が目指す会社が交通安全に関して行うべき取り組み案(2021/9/9更新)
ここでは、某大手運送会社が取り組む交通安全への取り組みを紹介させていただきました。
次にこのブログ記事のまとめとして、クロネコ社の取り組みを参考として、どの会社でも採用出来そうな取り組み案を紹介させていただきます。
道路交通法遵守
ブログの中の人は、上場準備において、道路交通法について、あまりクローズアップされませんでしたが、八街市であった交通事故のような大きな事故があれば、クローズアップされる可能性が出てきますので、社有車を持つ会社は、道路交通法の改正に注意が必要です。
道路交通法では、乗車定員が11人以上の車両を1台以上使用する事業所(自動車使用の本拠)、または定員に関わらず5台以上の車両を使用している事業所(自動車使用の本拠)は、安全運転管理者の選定が義務付けられています。
安全運転管理者は、安全運転教育や法律で定められている安全運転管理業務を行う必要がありますが、八街の交通事故による影響により、今後は業務量や責任が高くなるものと予想されます。
安全運転管理者の選任義務に関する警視庁のサイトは、こちらになります。
上場審査で急に「運転日誌を出せ」と要請を受ける可能性があるため、注意が必要になります。
なお、ブログの中の人は、道路交通法に関係なく、次のような取り組みをおススメします。
- 事業所で保有する車両台数に限らず、安全運転管理者を選定する。
- ドライバーが運転開始時と終了時に、安全運転管理者との間で対面で点呼を実施する。
- 運転開始時、運転終了時のアルコールチェックを実施する。
安全運転の講習会やセミナーを開催する
クロネコ社では、入社時、そして入社後も定期的に安全運転のセミナー等の受講をさせています。
いくつか探しましたが、JAFの購入が一番経済的だと思いました。
一日の講習会で実技インストラクター派遣1名につき【20,953円(消費税込) + 往復交通費】(本ブログ作成現在)という金額です。
こちらになります。
また、JAFが制作・編集しているYoutubeチャンネルのJAFChannelは、参考になると思います。
ハンドルの動作だけではなく、自動車の死角や危険予知に関するコンテンツがあり、今でも小まめにアップしているようです。
こちらになります。
ドライバーを承認制度にする
運転免許を持っていれば、誰にでも社用車を運転できるという制度にするのではなく、一定レベルの技量や経験があり、かつ講習会を受講した者だけが、社用車の運転を限定するような制度を盛り込むことは、大きなハードルではないと思います。例えば、次のような取り組みが考えられます。
- 社用車の運転免許制度を採用する。
- 事故を起こした従業員に対して、一定期間、社用車運転を停止する。
- 入社時また定期的に、運転記録証明書の提出を義務付けするなど。
社用車の事故原因を調査分析する体制を整備する
自動車を人間が運転する限り、交通事故をゼロにすることは、ほぼ不可能に近いと言われています。
しかし、事故の発生原因に比例して、メリハリをつけて対策することにより、事故発生件数の削減を目指すことは可能ではないでしょうか?
例えば、クロネコ社では、出合い頭での衝突事故よりも、はるかに3大事故原因の方をシビアに考えています。
出合い頭の衝突事故は、相手の自動車や歩行者にも一定レベルの責任があるケースが多い一方、3大事故原因(バック事故、自走事故、高さ事故)による事故は、未然に防ぐことが出来る上、事故件数が圧倒的に多いためです。
また、クロネコ社では、土曜日の夜に事故が最も多くなっているようです。
この原因は、クロネコ社が日曜日に取扱う荷物量は、土曜日に比べ大幅減になるらしく、クロネコ社のドライバーは、土曜日の夜が一番、ホッとしてしまい、心が緩んでしまうためのようです。
土曜日の夕方になれば、マネージャーは「今夜だけで良いから、事故ゼロで帰って来よう。事故するなら、明日にして。」とドライバーに対して声を掛けます。
クロネコ社の取り組みを参考にして、次のような取り組みの実施をおススメします。
- 社用車で多い事故原因(バック事故、駐車時の事故、発進時の事故など)を分析する。
- 車載カメラ(前方、後方、ドライバー)を設置し、管理者がドライバーの運転動作をチェック・指摘する。
- 交通安全遵守状況を人事評価制度や給与制度に反映させるなど