定款に「ウェブ開示をする旨の定め」を設けましょう
本来、書面で株主へ提供しなければいけないものを、コロナ禍による企業経営の混乱状況を鑑みて、2020年11月15日まではウェブ開示でOKとする特例措置を定められました。コロナ禍は第2波、第3波が来ると予想されており、時限が延期、または再度施行の可能性があります。
ただしこの改正は、どの会社も使えるのではありません。
- ウェブ開示をする旨の定款の定めがあること
- 会計監査人の監査意見が無限定適正意見であること
- 監査役(または監査役会、監査等委員会、監査委員会)の監査意見が会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認める意見でないこと
- 個々の監査役(または監査等委員、監査委員)の意見が監査役会(または監査等委員会、監査委員会)と異なり、会計監査人の監査の方法または結果を相当でないと認める意見でないこと
- 特定監査役の監査報告が通知すべき日までに通知されず、監査役(または監査等委員会、監査委員会)の監査を受けたとみなされたものではないこと
- 取締役会を設置していること
特例ウェブ開示対象は、以下のとおりです。
- 事業報告に表示すべき事項のうち、以下の事項および事業報告に係る監査役会等に係る監査報告に表示すべき事項
- 「当該事業年度における事業の経過及びその成果」(会社法施行規則第120条第1項第4号)
- 「対処すべき課題」(同項第8号)
- 貸借対照表及び損益計算書
- 計算書類について株主総会の承認(会社法第438条第2項)を要する場合には、貸借対照表及び損益計算書は対象とすることができない。
この措置は、「ウェブ開示をする旨の定款の定めがある会社」だけが使えます。
参考事例は以下のとおりです。
当会社は、株主総会の招集に際し、株主総会参考書類、事業報告、計算書類および連結計算書類(当該連結計算書類に係る会計監査報告または監査報告を含む。)に記載または表示をすべき事項に係る情報を、法務省令に定めるところに従いインターネットを利用する方法で開示することにより、株主に対して提供したものとみなすことができる。
当会社は、株主総会の招集に際し、株主総会参考書類、事業報告、計算書類および連結計算書類に記載または表示すべき情報を、法令の定めるところに従い、電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置をとる場合には、株主に対して提供したものとみなすことができる。
当会社は、株主総会参考書類、計算書類、連結計算書類(当該連結計算書類に係る監査報告及び会計監査報告を含む。)及び事業報告に記載又は表示すべき事項に係る情報を、法令に定めるところに従いインターネット上のホームページに掲載することにより、株主に対して提供したものとみなすことができる。