反社会的勢力と関与が深い業界

反社会的勢力との関与が疑いのある会社がIPOを達成する事は出来ません。

なお反社会的勢力の定義などについては、こちらで説明しています。ぜひご参考ください。

【重要】反社会的勢力

反社会的勢力と関与しないように予防するための基本として、まず”反社会的勢力との関係が強いと思われる場所や業界に近づかない事”が重要になるはずです。そこで「反社会的勢力との関係が強いと思われる場所や業界」というものは、どういうものでしょうか?大阪市では、次のような例を出しています。

暴力団の利益になる使用の例
  • 斎場における暴力団員等の組葬
  • 暴力団組長等の襲名披露パーティ
  • 暴力団員等の出所祝い
  • 暴力団主催による歌謡ショー格闘技等のイベント
  • 暴力団員等による慰安旅行の宿泊、宴会
  • 暴力団員等によるスポーツ大会等の行事
  • 暴力団主催による暴対法対策、資金源獲得その他公序良俗に反する会議

出所:「公の施設からの暴力団排除」大阪市より

ブシロードのIPO

2019年7月29日に東証マザーズへ上場した株式会社ブシロードは、上場時に、プロレス運営会社「新日本プロレスリング株式会社」とキックボクシング運営会社「株式会社ブシロードファイト」という会社を子会社として保有しています。

このように格闘技を運営している会社がIPOを果たすというのは、初めてのケースになります。

格闘技業界と反社会的勢力の関係は、歴史が深いです。

力道山と暴力団の蜜月ぶりや、昭和の名横綱の化粧まわしに暴力団の家紋が刺繍されていたのは有名な話です。

プロレス団体や格闘技団体が、特に地方で興行を行う場合、チケット販売面で暴力団と友好な関係を保っていたという発言は公然とされています。

ブシロードが展開している事業は、格闘技だけではなく、芸能界も深く関与しています。

芸能界も格闘技業界と同様、反社会的勢力との関与の歴史が深く、例えば昭和の歌姫と暴力団組長の関係は有名であり、現在に至ってもクスリで逮捕される芸能人や、吉本興行所属の有名芸人が反社会的勢力と関与をしていたというニュースなどが後を絶ちません。

しかしブシロードはIPOを達成しました。

反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況(出所:株式会社ブシロード有価証券届出書より引用)
  • 反社会的勢力とは一切の関係を持たないこと、不当要求については拒絶することを基本方針とし、これを各種社内規程等に明文化しています。また、取引先がこれらと関わる個人、企業、団体等であることが判明した場合には取引を解消することとしています。
  •  経営管理本部を反社会的勢力対応部署と位置付け、情報の一元管理・蓄積等を行っています。また、役員及び使用人が基本方針を遵守するよう教育体制を構築するとともに、反社会的勢力による被害を防止するための対応方法等を整備し周知を図っています。
  • 反社会的勢力による不当要求が発生した場合には、警察及び顧問法律事務所等の外部専門機関と連携し、有事の際の協力体制を構築します。

ブシロードに対する審査は、上記の内容が有目無実と化していないことが重点的に確認されたものと推察します。

なお、ブシロードが展開しているサービスの利用規約には、いわゆる「反社会的勢力排除条項」が記載されています。

反社会的勢力のチェック裏技

反社会的勢力の調べ方については、こちらで説明しています。ご参考ください。

反社会的勢力への対策

さらに反社会的勢力のチェック方法の裏技を紹介させていただきます。

もっともコストがかからず基本的な反社会的勢力のチェック方法のひとつは、グーグルを使ってスクリーニングすることです。

そこで気になるのが、世間の企業はどんなキーワードを使ってスクリーニングしているのか?だと思います。

世間の会社はどのようなキーワードで反社会的勢力のチェックをしてスクリーニングしているのかを紹介させていただきます。

ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)というサイトがあります。

このサイトは、世の中がグーグルを使ってどういう言葉を使って文字検索をしているのかということがわかる無料サイトです。

このキーワード検索の中に、「反社会的勢力」または「反社」を入力すれば、世間の人々は、反社会的勢力に関して、どのようなキーワードで検索しているのかがわかります。

特定の業界や個人名をはじめ、スクリーニングのヒントとキーワードが出てきます。

ぜひご参考ください。

色眼鏡で見られる業界例

格闘技業界や芸能業界と深い関係を持った会社がIPOにチャレンジする際、反社会的勢力との関与について、審査の担当者から、間違いなく”色眼鏡”で見られます。色眼鏡で見られる点に関しては、審査において、質問の量や実地調査の量が格段に異なります。

しかし、それを反対に捉えれば、IPOを目指すための大きなヒントになります。

まず自社がどのような点で第三者から”色眼鏡”で見られているかを判断する事が必要になります。

色眼鏡で見られる業界例
  1. 反社会的勢力との関与が多いと言われる業界例
    • 芸能・格闘技関係、遊戯関係、スポーツ関係など
  2. 労務面で問題が多いと言われる業界例
    • IT関係、運輸運送関係、公告関係、外食関係など
  3. 業法を含めたコンプライアンス全般で問題が多いと言われる業界例
    • 不動産関係、金融関係など
  4. 会計上の不正が多いと言われる業界例
    • メーカー、不動産関係など

何に対して”色眼鏡”で見られているのかを判断するためには、まず直近、業界として不祥事があった内容の把握が基本です。

次に、”色眼鏡”で見られている点について、審査担当者が「ここまでキチンとやっていれば安心だ」と思わせるにはどのようなアクションを取ればよいかを、主幹事証券会社や専門家と相談しながら活動をしましょう。主幹事証券会社や専門家へ相談せず、自社だけで解決しようとするのは、かえって遠回りになると考えます。