申請期と申請翌期の業績が極めて重要と思わせる事例です。

「初値天井」とは、初値が最高値となってしまうような株価形成をしてしまう場合をいいます。

証券会社は「初値天井」となっている会社に対して、公募増資等の一部のファイナンスを提案しづらくなります。

初値天井になった会社は、折角苦労してIPOを実現したにも関わらず、様々な面でIPOのメリットを享受できなくなります。

2019年6月28日にマザーズへ上場したリビン・テクノロジーズ株式会社の株価動向(本ブログを作成した2020年3月まで)は、次のようになっています。

リビン・テクノロジーズの株式の発行価格は、3,900円でした。それに比べて、初値は2倍超の9,000円をつけ、その日の株価は9,150円まで達しました。しかしその後に急反落し、5,000円前後の株価を維持していましたが、申請期である2019年9月期の決算発表をきっかけに急落し、ついに発行価格3,900円を下回るような株価になってしまっています。

リビン・テクノロジーズの株式が初値天井になっている要因は、主に以下の3点です。

リビン・テクノロジーズが初値天井になっている主な理由
  1. IPO時に企業の体力や実力から過熱感が大きすぎた
    • これはリビン・テクノロジーズにとって、不幸なことであると考えます。
  2. 申請期の業績は、増収増益を確保したものの、業績予想を下回った。
  3. 申請翌期の業績予想は、大幅に減益になると発表した。

リビン・テクノロジーズの株価が急落した最も大きな理由は、申請期の業績よりも、申請翌期の業績予想に対して失望した投資家が多かったことは明確です。リビン・テクノロジーズに対して見直されるためには、申請翌期の業績が良い意味で予想を裏切る必要があるのは間違いありません。