IPO時に株式を募集する価格のことを「発行価格」または「公募価格」、「公開価格」といいます。

IPOにおいては「発行価格」「公募価格」「公開価格」は同じ意味の用語として使われています。

有価証券届出書目論見書では「発行価格」を使います。

なお有価証券届出書と目論見書には、「想定発行価格」という価格が存在します。

これは発行会社と主幹事証券会社の間で発行価格を想定した価格のことをいいます。

以下に想定発行価格と発行価格の決定プロセスに関する実務を説明します。

想定発行価格(発行価格を想定した価格)の決定に関する主な実務
  • 実務上、目論見書の校了日までに、発行会社と主幹事証券会社の間で相談して決定します。
  • ロードショーを通じ、機関投資家へ「想定発行価格」の妥当性についてヒアリングします。
  • 通常、「想定発行価格」は、目論見書や有価証券届出書へ記載します。
発行価格の決定に関する主な実務
  • 募集の申込期間の1営業日前までにブックビルディングの結果を元に、主幹事証券と相談して決定します。
  • 発行価格が決定すると、目論見書と有価証券届出書に記載された「想定発行価格」を訂正する手続きをします。

発行価格は、発行会社や売出人の手取に相当する株価ではなく、IPO時に一般投資家等が購入する時の株価のことをいいます。

発行会社や売出人の手取は、発行価格から証券会社に支払う手数料分(「スプレッド」といいます)を引いた金額(「引受価額」といいます)になります。

発行価格と発行価額

発行価格と発行価額は、よく似ていますが異なります。

「発行価額とは何か」「発行価格と発行価額の違い」についてはこちらで説明しています。ご参考ください。

発行価額【IPO用語】

一番わかりやすいブックビルディングの流れ【上場準備実務】

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