よく似ていますが異なります。

資本政策や会計に関する用語には、同じような用語がたくさんあります。

ここではよく似た言葉として、「新株予約権」「新株引受権」「株式引受権」を取り上げます。

新株予約権、新株引受権、株式引受権の定義

定義が記載された法規則 定義
新株予約権 会社法第2条21号 「株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利」として会社法に明文化されています
新株引受権 現在は、特になし(旧商法第280条ノ19第1項) 現段階では法規則で明文化されていないため、明確ではありませんが、一般的には「新株を優先して引き受ける権利」と解されています
株式引受権 「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」企業会計基準委員会 「事後交付型(取締役の報酬等として株式を無償交付する取引のうち、契約上、株式の発行等について権利確定条件が付されており、権利確定条件が達成された場合に株式の発行等が行われる取引)として、取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する契約を締結し、株式の発行等が行われるまでの間、貸借対照表の純資産の部の株主資本以外の項目に計上する科目」として明文化されています

新株予約権と新株引受権の違い

新株予約権は会社法におきまして定義が明文化されている一方、新株引受権の定義につきましては現段階において法規則が明文化されていません。

したがいまして、ブログの中の人が一般的によく使われている使い方で説明させていただきます。

表 新株引受権と新株予約権の主な違い

項目 新株引受権 新株予約権
交付する株式 新株を交付する事に限定されています 交付する株式は自己株式でもOKであり、新株に限定されていません
権利の有効性 発行会社が新株発行を決議した時に有効となる権利です 原則、権利行使期間中であれば常時有効な権利です
発行実績 新株引受権を発行した実績は見当たりませんでした※ 全国の公開会社は新株予約権を無数に発行した実績があります

※ ブログの中の人が本ブログ作成時にEDINETで検索(2019年以降)して調査した結果。

新株引受権は、旧商法が有効であったとき、多く発行されていた有価証券ですが、会社法の施行に伴って無くなったとも言われています。

新株予約権と株式引受権の違い

株式引受権とは、会計上の用語として、2020年に出てきた新しい用語です。

表 株式引受権と新株予約権の主な違い

項目 株式引受権 新株予約権
インセンティブプラン 事後交付型リストリクテッド・ストック ストックオプション
発行実務 株式引受権の発行実務は存在しません 会社法238条等の定めに従ったプロセスで発行する必要があります
会社の属性 公開会社が中心 公開会社、非公開会社のどちらでも活用
関連法規則 会計のみ 会計、会社法、金融商品取引法等

「事後交付型リストリクテッド・ストック」とは、平成29年度の税制改正に伴って、上場会社の中で事例が多く出てきているインセンティブプランです。

「事後交付型リストリクテッド・ストック」は、公開会社では損金算入が認められている一方、一般的に非公開会社では損金算入が認められていないため、公開会社が中心になるスキームです。

新株予約権とストックオプション

新株予約権とよく似た言葉に「ストックオプション」があります。

こちらで説明していますので、ご参考ください。

ストックオプション・新株予約権【IPO用語】