関係会社は、決算操作や役員等の利得行為に利用された歴史があります。

例えば、大手光学機器メーカーのオリンパスが行った粉飾事件です。

日経新聞の記事を紹介させていただきます。こちらになります。

財テク投資失敗による巨額損失を”飛ばし”というやり方で移し替えたという粉飾です。

したがいまして、関係会社を持つ上場申請会社は、関係会社についてIPOの審査で審査対象になります。

もし、業績が不振な関係会社があれば、相当厳しい審査になります。

ここでは、業績不振の関係会社を保有する会社の場合のIPO審査について、説明させていただきます。

経営不振の関係会社に関する審査

業績不振で多額の欠損金が累積している関係会社が存在する場合は、IPOの審査において、大きな問題になります。

上場申請会社、ならびにグループに不測の損失を発生させるリスクが大きいためです。

そのような状態にある関係会社がある場合、原則IPO前に売却・清算・合併が求められます。

しかし、実行可能性が高い再建計画が立案出来れば、存続できます。

経営不振の関係会社が存在する際は、主に以下の点で確認を受けます。

経営不振の関係会社の事業継続の意義は、合理的か

グループ全体の経営において、分社経営合理化に寄与している場合、また給与賃金体系や勤務体制、評価体系などの人事労務関係上での対策などで、分社せざるを得ない場合に限られ、経済的な合理性を説明できない限り、関係会社の整理を求められます。

経済的な合理的理由とは、次のようなケースが考えられます。

経営不振の関係会社に求められる経済的な合理的理由例
  1. 上場申請企業グループにおける新規事業や異分野の事業を展開しているため、給与体系をはじめとする人事面がグループで一本化し辛い関係会社
  2. 海外市場や地方市場を深耕するために存在する関係会社
  3. 他社との合弁である研究開発型の関係会社など

再建計画が立案され、その再建計画は実行可能性が高いものか

中長期的に再建計画を立案し、事業の成長性、また再建計画の合理性・実現可能性等が慎重に審査されることになります。

再建計画の大原則は、あくまでも独力で再建する必要があります。

もし、親会社を含むグループ会社による過剰な支援により経営維持を図っているような場合、IPOの審査では厳しい判断を下すことになります。

経営不振の関係会社が万が一、倒産したとしても、連結財務諸表に対して、大きな影響は存在しないか

株式会社東芝は、米国子会社のウエスチングハウス社の経営不振により、経営危機に陥りました。

IPOの審査をする担当者側は、このような事態を極小化したいため、子会社の規模に比例して、IPOの審査は厳しくなります。

審査をクリアできなかった場合の対応

上述の説明をしても、IPOの審査等で認められなかった場合、次のような対応が求められます。

  1. 子会社の解散や清算、または事業売却等を行うことにより、事業から撤退する
  2. 上場申請会社、または黒字化しているその他の子会社との合併または、会社分割、事業譲渡を実施する
  3. 収益改善策の実施、新たな抜本的な対策等を施すことにより、一定の成果が出るまで待つ

対応策の件数は、ブログの中の人のイメージでは、①>②>③となっているのではないでしょうか?

      赤字かつ債務超過の特定子会社を存続させてIPOを達成した事例

      特定子会社とは、重要な位置づけのある子会社のことをいいます。こちら↓で解説しています。

      上場会社担当者が認識すべき「特定子会社」とは

      特定子会社は上場申請会社の連結財務諸表において、重要な位置づけにあるため、もし特定子会社の経営が不振であれば、極めて慎重に審査されます。

      しかし、赤字かつ債務超過状態の特定子会社を持つ会社がIPOを達成した事例があります。

      したがいまして、関係会社が赤字かつ債務超過状態だからといって、事業継続を諦める必要はありません。

      ↓の記事にその事例を2社紹介しています。

      【IPO事例-2】赤字かつ債務超過の特定子会社を存続したままIPOをした事例

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