
上場株式の保管や受け渡しをおこなうことができる日本で唯一の保管振替機関です。
ほふりとは
証券保管振替機構は「ほふり」と呼ぶほうが一般的です。
上場株式は、すべて「ほふり」で一括保管管理されています。
「ほふり」で名義書き換えや売買に伴う受け渡し、発行会社への株主通知などを行っています。
ホームページは、こちらになっています。
新規記録手続き
IPOの承認を受けた会社は、IPOに備えて、あれこれ手続きがありますが、そのひとつに自社株式がほふりで管理できるようにするための手続きがあります。
その手続きについて簡単に説明すると次のようになります。
新規記録手続き
- 既存株主が「この口座に株式を振り込んでください」と請求する
- 株主は、事前に証券会社に証券口座を開設します
- 解説した証券口座番号等の情報を発行会社へ知らせます
- このプロセスを「口座通知取次ぎ請求」といいます
- IPOを行う会社が「口座通知取次ぎ請求」と株主名簿を照合する
- 「口座通知取次ぎ請求」をしなかった株主を抽出し、信託銀行等へ特別口座開設を依頼します
- IPOを行う会社がほふりへ「この口座に、うちの会社の株式を〇株振り込むように手続きを進めてください」という通知を行う
- この通知を「新規記録通知」といいます
特別口座では株式を取引できません。
株式を売買や贈与などをするためには、事前に証券会社に口座を開設し、振替する必要があります。
ほふりの手数料
IPOを達成するとほふりへ手数料を支払う必要があります。
手数料は次のような表で計算されます。
範囲 | 発行総額(新規記録に係る銘柄ごと) | 利率 |
---|---|---|
レンジ1 | 1億円以下の部分 | 基本利率=0.95bp(※) |
レンジ2 | 1億円超、5億円以下の部分 | 基本利率の80% |
レンジ3 | 5億円超、10億円以下の部分 | 基本利率の60% |
レンジ4 | 10億円超、50億円以下の部分 | 基本利率の40% |
レンジ5 | 50億円超、100億円以下の部分 | 基本利率の20% |
レンジ6 | 100億円超、500億円以下の部分 | 基本利率の10% |
レンジ7 | 500億円超、1,000億円以下の部分 | 基本利率の5% |
レンジ8 | 1,000億円超の部分 | 基本利率の2.5% |
(※)bp=1/10,000
発行総額50億円の会社の手数料は次のように計算されます。
発行総額50億円の会社の手数料
- 手数料総額の計算・・・・・・・ 発行総額×基本料率
- 50億円×0.95bp=475,000円(小数点以下切捨て)
- 割引額の計算・・・・・・・・・・・ボリュームディスカウント額の算出(各レンジ毎に算出した上で合計)
- a〔レンジ2〕(5億円-1億円)×0.95bp×(100%-80%)=7,600
- b〔レンジ3〕(10億円-5億円)×0.95bp×(100%-60%)=19,000
- c〔レンジ4〕(50億円-10億円)×0.95bp×(100%-40%)=228,000
合計〔a+b+c〕=254,600(小数点以下切上げ)
- 手数料請求額の計算
475,000円-254,600円=220,400円・・・・発行者Aの新規記録手数料