上場会社の企業価値を示す最大の指標が、時価総額です。

この記事を書いているとき、時価総額に関する最大の話題が米国自動車メーカーのテスラの時価総額です。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタより、テスラの売上高や利益は1/10以下であるにもかかわらず、テスラの時価総額は、トヨタを上回りました。それだけではなく、トヨタとホンダ、日産、スバルを全部足した時価総額を上回ってしまいました。

理論的には、もうすっかりテスラは、自社株式のパワーを使って、トヨタを傘下に収めることが夢ではないレベルになってきました。

時価総額とは

時価総額の計算式は、こちらになります。

時価総額(円) = 株価(円/株) × 発行済株式数(株)

時価総額が高い会社は、それを武器として、M&Aや増資、借入等が優位になります。

時価総額が低い会社は、特に買収リスクが大きくなります。

IPOを目指す会社が立案する資本政策では、自社の事業内容や規模が類似している会社の時価総額を参考にして、自社の時価総額を想定して、IPOするときの発行株価を想定することが一般的です。

想定発行価格(円/株)= 想定時価総額(円)÷ 発行済株式数(株)

東証では、「市場別時価総額」「業種別時価総額(市場第一部)」「評価額順位表」についてデータを公表しています(こちらになります)。

IPOの時価総額

一般的に、IPOをするときの会社の時価総額は、類似する会社の時価総額より、相当低く抑えられます。

つまりトヨタA社というトヨタ社と全く同じ事業内容や業績動向、財務内容の会社がIPOをしたとしても、IPO時の時価総額はトヨタ社より低く抑えられます。

これは、いくつかの理由がありますが、最も大きな理由は、上場会社と比較して、相対的に情報量が不足しているためです。

IPOする会社が上場会社と比較して、最も不足しているのが、業績予想及び業績予想と結果の差異の実績です。これはどうしようもありません。

IPO時の時価総額を安く抑えられた分は、IPOディスカウントと呼ばれています。

IPOディスカウントについては、こちらでも説明しています。

IPOディスカウント