新株を発行することにより、1株あたりの利益(EPS)が低下することをいいます。

希薄化の意味

希薄化、または希釈化ともいいます。

第三者割当増資やストックオプションの権利行使などで新株発行を行うと、発行済株式総数が増加することになるため、1株当たりの利益(EPS:Earning Per Share 「当期純利益÷発行済株式総数」)が低下することになります。

1株当たりの利益が低下するということは、その会社にとっての1株の価値の低下つまり1株の価値が薄まるということで希薄化・希釈化とよばれています。

コーポレートガバナンスコードには、次のような原則が存在します。

【原則1-6.株主の利益を害する可能性のある資本政策】

支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策(増資、MBO等を含む)については、既存株主を不当に害することのないよう、取締役会・監査役は、株主に対する受託者責任を全うする観点から、その必要性・合理性をしっかりと検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に十分な説明を行うべきである。

希薄化の計算方法

希薄化の計算方法は、次のようになります。

希薄化増資後の株式の議決権数÷増資前の発行済株式の議決権総数

  • IPOの準備段階において、「希薄化」の議論になるのが、ストックオプションです。
  • ストックオプションを多く発行しすぎると、将来、希薄化によって、株価が下落してしまうのではという懸念が投資家に生じるため、IPO時のブックビルディングで需要が低下し、発行価格の形成にネガティブな影響を与えてしまう可能性があります。
  • IPO前にストックオプションを発行する際は、主幹事証券会社と相談して、発行総数を決めましょう。