ブログの中の人は、某大手証券会社の社員であり、公開引受部門に在籍していたことからも、IPO株については以前から多少の知識があります。
ちなみにブログの中の人は、脱サラ後、個人で日本と米国投資を始め、連続で年間70%前後のリターンとなっており、億り人目前の状況にあります。
そんな私でも「IPOだから儲かる」と思って、なんでもかんでもIPO株に申込んだ挙句、ボコボコにされた経験があります。
その経験を活かした記事を書かせていただきます。
12月22日に株式会社ウェルスナビがIPOをするということになりました。
私は、結論から言いまして、ウェルスナビのIPOブックビルディングを申し込むことはありません。
なぜそう考えるのかについて述べさせていただきます。
投資は、自己責任で!
ロボアドバイザーとは
ウェルスナビは、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」によるサービスを提供している会社です。
本来、資産運用をするためには、自分自身で目標設定からポートフォリオの構築や発注などをする必要がありますが、WealthNaviを使うと、資産運用を自動的に行ってくれるそうです。
手数料は、預かり資産の1%(年率)という価格で設定されています。
ロボアドバイザーは、「便利で、楽に、手数料安価で、儲けさせてくれる」ようなイメージがあります。
ちなみに証券会社等の金融機関には、ロボアドバイザーと似たサービスを以前からしています。それはラップ口座やプライベートバンクです。
表 ロボアドバイザーとラップ口座の比較
ロボアドバイザー | ラップ口座・プライベートバンク | |
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メリット |
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デメリット |
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ラップ口座は、比較的富裕層向けのサービスです。
ロボアドバイザーは、富裕層にしか受けることができないラップ口座に近いサービスを比較的安価にうけることができるサービスです。
ラップ口座の場合は、基本的には口座を開設した段階でドカッと投資を行って、ポートフォリオのリバランスを細かく行い、最大の利益を狙います。
ロボアドバイザーは、毎月積み立てを行う投資が中心になり、持株会の強みと同じようなドルコスト平均法を使って収益の最大化をはかります。
ロボアドバイザーは、投資初心者または投資知識の習得に興味が無い人に向いた商品です。また投資資金の一部に活用する方も多いようです。
ロボアドバイザーに対する否定的な意見
ロボアドバイザーに関しては、否定的な意見が少なくなく、ブログやYoutubeでも取り上げられています。
投資の人気Youtuberの高橋ダン氏も否定的な意見を言っています。
高橋ダン氏が仰っていることをまとめますと次のようになります。
- バンガード社等の大手ETFを買っているだけである。ロボアドバイザーは、直接投資対象を決めているのではない。ETFは誰でも簡単に買える。
- 単にアセットアロケーションを自動的に行っている会社。それに1%も手数料を支払うのは、クレイジー!
- ETFは手数料を取っている。したがって手数料は、1%だけではない。
- 金融の学習をすれば、自分で出来るレベルだ。
- 投資運用を他人に依存するというのは、非常に危険であり、間違い。
アセットアロケーションとは、資産状況やリスク許容度、運用目的などによって、現金や株式、債券等の配分をどうするかということです。
同じようなことを言っているYoutuberは何人もいます。
ブログの中の人も、ロボアドバイザーの利用価値について「?」がつきます。
例えば、ロボアドバイザーを使おうとするとき、まずアンケートに答えます。
ロボアドバイザーのアンケートを答えると、最後にポートフォリオを提案してきます。
米国株、新興国株、日本株、債権、金、不動産をこのような割合で投資しましょうという提案です。
卑怯な表現になるかもしれませんが、ロボアドバイザーの提案に近いETFやREITを購入すれば、ロボアドバイザーに手数料を支払わずに済むのではないかと考えました(もちろん、私は、そんな事はしておりません)。
私も高橋ダンさんと同じく、大切な資産を勉強せずに、他人に委ねるというのは、危険な感じがします。
ロボアドバイザー参入企業
ロボアドバイザーは、WealthNaviがトップシェアのようですが、参入障壁が低く、全国の証券会社や事業会社が参入しています。
- NTTドコモ
- 大和証券
- マネックス証券
- 岡三オンライン証券
- 東海東京証券
- 松井証券
- 楽天証券
- みずほ銀行など
「ロボアドバイザーは、AIを使った資産運用」をアピールしていますが、最近マザーズへIPOを果たしたAI Inside社やニューラルポケット社、ヘッドウォータース社のAI技術と比べると、明らかに「うーん」という水準の技術です。
投資初心者または投資知識の習得に興味が無い人に向いた商品であるため、各証券会社はそのような顧客層の獲得を狙ってサービスを展開しています。
各商品は、運用成績をアピールしていますが、今後もその運用成績の維持向上を保証出来ないことが弱みです。
このままであれば、価格競争に陥る可能性があるような感じです。
そうなってしまえば、ロボアドバイザー専業であるウェルスナビは、窮地に落とされてしまいます。
今後は、新たなサービス追加による付加価値向上がポイントになりそうです。
結論
想定発行価格が1,100円となっており、想定時価総額が494億円、想定PSRが32になっています。
ちなみに、個人間での送金やPOSシステム、ビットコインを扱う米国フィンテック企業のスクエア社より高いPSRとなっています。
またこのレベルのPSRは、遠隔治療世界一のテラドック社や、FBIやCIAを顧客に持ちビンラーディンの居所を掴んだというビックデータ分析企業のパランティアテクノロジーズ社と同水準となっています。
吸収金額が188億円にもなるため、プレミア感が乏しいと言わざるを得ません。
1,100円という発行価格は、あまりにも割高な気がします。
以上をまとめますと、ブログの中の人は、ウェルスナビのIPOに対して、到底、参加する勇気がなく、スクエア社の株を買います。
投資は、自己責任で!