セルソースの目論見書
2019年10月28日に東証マザーズへ上場したセルソース株式会社の目論見書を確認すると、
- 主幹事証券会社:みずほ証券
- メインバンク:みずほ銀行
- 株式名簿管理人:みずほ信託銀行
ということがわかります。つまり、セルソースは、みずほグループ系にガッチリ囲まれた会社であるといえます。
セルソース株式会社は、極めて良好なIPO企業として評価されていることからも、みずほグループはセルソースに対して、今後もグループで連携した積極的なアプローチを継続するものと考えられます。
ここでは主幹事証券会社をコンペで選定する際、必ずといっていいほど出てくるワードである「銀行系証券会社」について説明させていただきます。
銀行系証券会社とは
証券会社を分類する切り口のひとつとしてには、「銀行系証券会社」と「独立系証券会社」というものがあります。
明確な定義は存在しませんが、銀行系証券会社とは実質的に銀行の傘下にある証券会社であり、独立系証券会社はそれ以外の証券会社になります。
国内の3メガバンクのグループには、それぞれ証券会社があります。
銀行 | 証券会社 | 信託銀行 | |
---|---|---|---|
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 三菱UFJ銀行 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 三菱UFJ信託銀行 |
三井住友フィナンシャルグループ | 三井住友銀行 | SMBC日興証券 | SMBC信託銀行 |
みずほフィナンシャルグループ | みずほ銀行 | みずほ証券 | みずほ信託銀行 |
このほかにも東海東京証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループには属していませんが、三菱系の銀行系証券会社と呼ぶ人もあります。
銀行系証券会社の強み
銀行系証券会社は、銀行・証券・信託で連携した情報提供や提案活動を強みにしています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のホームページには、次のような記載があります。
例えば、企業が資金調達するにあたっては、①株式を発行して投資家に出資してもらう(資本)、②債券を発行して投資家に購入してもらう(債務)、③銀行から融資を受ける(債務)、のいずれかの方法が考えられますが、当社は、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行と連携の上、調達目的・財務状態・調達条件などに合わせ、お客さまにとって最良な資金調達方法をワンストップでご提案します。 また、個人・法人の投資家が資産運用をご検討される際には、お客さまの資産・リスク許容度などをお伺いした上で、近い将来に必要な資金は流動性の高い銀行預金、余剰資金は株式や債券での運用など、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行と連携し、お客さまにとって最適なポートフォリオをワンストップでご提案します。
(出所:三菱UFJモルガン・スタンレー証券のホームページより)
証券会社の営業活動とは、株式や社債、新株予約権等の有価証券を絡めた営業になりますが、銀行系証券会社は、銀行と信託銀行がグループにあるため、有価証券に偏った提案営業をせず、幅広い営業活動を行えることが強みのようです。
銀行系証券会社の留意点
銀行系証券会社には、メリットがある一方、留意点やデメリットもあります。
ブログの中の人は、元証券会社社員でありまして、このあたりをよく認識しております。
IPO AtoZでは、以下の質問に対する回答を準備しています。
- 同一銀行系で囲まれるデメリットとは?
- 銀行系証券会社へアプローチする時のポイント