株式会社ファーストリテイリングや日本電産株式会社の現役社長がソフトバンクグループ株式会社の社外取締役として就任していたのは有名です。

株式会社ファーストリテイリングや日本電産株式会社の株主は、「柳井社長!そんな暇ないでしょ!」「永守社長!他の会社の経営のために、貴重な時間を使わないで!」と思ってしまうのが普通だと思います(両名とも、既に辞任しています)。

もし、IPOを目指す会社経営者が、自社グループと全く関係のない他社の役職員になっている場合、IPOの審査では審査担当者から「そんなことをしているヒマってあるの?」「なぜ、自社グループ以外の仕事をやることになったの?」と思うことは自然だと思います。

特にIPOを目指すような会社の常勤役員は、24時間365日、自社の仕事に没頭することが通常ですが、全ての会社がそうではないようです。

ここで紹介させていただきます。

兼務・兼職に対する東証の考え方

東証が発行している新規上場ガイドブックには、次のような事が書かれています。

役員の兼職兼任に対する東証の考え方
  • 申請会社の役員が他の会社等の役職員等と兼職関係にある場合については、まず、取締役会への出席状況などから、当該役員がその求められる監督機能を十分発揮しているかどうかを確認するとともに、常勤役員については、その業務の執行の機動性が損なわれていないかどうかを確認します。
  • 当該兼職先と申請会社が取引関係を有するような場合にあっては、その取引に対する適切な牽制を働かせることのできるガバナンス体制が構築できているか、取引条件の決定の手続きの状況などを踏まえ、申請会社が不利益を被るような決定となっていないか等を審査において確認し、適切な体制、運用が確認できれば、当該兼任について、認められるものと判断することもあります。

(出所:東京証券取引所 新規上場ガイドブック 2022プライム市場編より)

これはあくまでも東証の考えです。主幹事証券会社の考えは、違う可能性があります。

常勤役員が他社と兼務していた事例

他社の要職と兼務する常勤役員が存在するIPO事例が存在します。

他に3社の取締役を兼務している取締役CFOが存在する事例を見つけましたので、更新しました(2023/4/25更新)

「どこの会社?」に関する詳しい記事は↓になります。

【IPO事例-14】社長や会長、CFOが関係会社以外の他社役員を兼任している事例

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