会社法の一部が3月1日に改正されます。
全国株懇連合会は、その改正に対応するために、全国株懇連合会がこれまでに公表しているモデルを改正しました。
全国株懇連合会については、こちらで説明しています。
ここでは、改正内容等を簡単に紹介します。
株懇モデルの改正内容
改正したモデルは、次のモデルになります。
- 「定款」
- 「事業報告」
- 「招集通知」
- 「株主総会参考書類」
- 「決議通知」
- 「株主総会の議決権不統一行使に関する取扱指針」
この改正の中で、事業報告モデルに追記することになった内容をいくつか紹介します。
- 親会社との関係に、親会社と締結している重要な財務および事業の方針に関する契約等の内容の概要
- 当該事業年度中に会社役員に交付した株式の状況
- 補償契約の内容の概要
- 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
- 当事業年度に係る取締役および監査役の報酬等に会社役員の種類別の報酬等の総額、種類別の報酬等に関する事項、報酬等についての定款または株主総会の定め、取締役の報酬等の決定方針等、取締役を除く各会社役員の報酬等の決定方針、取締役会から委任を受けた者が個人別の報酬等の内容の全部または一部を決定した旨
- 社外取締役が果たすことが期待される役割に関して行った職務の概要
- 社外取締役に業務執行を委託した場合の記載
- 社外取締役および社外監査役に関する事項で、社外取締役を置くことが相当でない理由など
また株主総会参考書類モデルは、次のような箇所が追記されています。
- 役員選任議案において、社外取締役に期待される役割の概要
- 役員選任議案において、保証契約や役員等賠償責任保険契約の内容の概要
- 役員報酬額改定議案において、相当とする理由
IPOを目指す会社の対応
招集通知や事業報告等、株式実務に関する書類を作成する際、昨年や一昨年に使った書類をコピペして作成しようとする方がいらっしゃいます。
それはそれで効率が良いのですが、その方法であれば、関係法令の改正があった場合、その改正を見落としてしまう可能性があります。
直前期になれば、直前々期に作成した書類をベースにして、株式実務に関する書類を作成するのではなく、全国株懇連合会が公表する最新のモデルの確認をおススメします。
なお、全国の上場会社は、全国株懇連合会が公表するモデルを、参考または採用しています(株懇モデルをガン無視している上場会社は、1社もないと考えてよいと思います)。
全国株懇連合会は、法令の改正がある都度、タイムリーに株式実務に関する書類のモデルを検討する組織であり、信頼できる組織です。
IPOAtoZでは、IPOを目指す会社は、申請期になれば、株懇への入会をおススメしていますが、入会していない会社の場合は、印刷会社または信託銀行に確認を求めましょう。
全国株懇連合会が公表した「会社法改正に伴う各種モデルおよび事務取扱指針の改正について」は、こちらにあります。
またその新旧対照表は、こちらにあります。