有配企業とは

有配企業とは、株主へ配当を支払っている会社のことをいいます。

2019年に東証へIPOを達成した会社82社(Tokyo Pro Market除く)の中で21社(IPO AtoZ調べ)がIPO前から有配企業でした。

2019年3月12日に上場したダイコー通産株式会社は、有配企業です。

配当性向は30.1%もあります。

ダイコー通産は、直前期が43期目になりますが、このような社歴の長い企業が有配企業になっている事例が多々あります。

ここでは有配企業がIPOを目指す場合に時々あるケースを紹介させていただきます。

有配企業の注意点

IPOを目指すことになると、税務会計からの変更が必要になります。そして監査法人により財務諸表を監査され、過年度遡及の要請を受けるケースが多々あります。過年度遡及については、こちらで説明しています。

過年度遡及

過年度遡及を行う際、大きな論点となるのが「税務の修正申告」と「過去の配当」です。

修正申告については、顧問税理士と相談しながら解決していきます。修正申告に関しては、”経理部門のマンパワー”で処理が出来る上、ほとんどのケースは納めすぎた税金の返金を受ける事になりますので、会社にとって比較的スムーズに進むケースが多いようです。

しかし「過去の配当」つまり”支払い済みの配当金の扱い”については、非常に面倒になるケースが多々あります。配当金は、会社法446条で配当可能限度額が定められていますが、過年度遡及をすることによって、結果的に配当可能限度額を超えた配当を支払っており、”違法配当のような形”になっていたという会社がしばしばあります。

IPO準備時期に起こりやすい「違法配当のようになってしまう」例

会社法446条(「配当の支払い額」≦「純資産額-(資本の額+資本準備金+利益準備金+その決算期に積立てるべき利益準備金)」(以下では、「式」といいます))に則り、配当を出していた。

監査法人による監査が始まり、監査法人から過年度遡及を求められ、特別損失の計上を求められた。

過年度遡及をして特別損失を計上すると、純資産額が減少し、式を抵触してしまった。

法的には、このようなケースは本当の違法配当ではないと解釈されているようですが、インパクトが大きく、配当を受け取っていた株主がオーナー社長やその親族等に限られている場合などは、総合的な判断から、主幹事証券会社などから、受取済みの配当金を返還するように要請される場合があります。もし、そのような時期が、直前々期直前期になっていた場合は、尚更大きな議論に発展します。

有配企業の対応

以下のような有配企業は、配当支給の一時ストップをおすすめします。

配当支給の一時ストップを検討すべき有配企業
  • ショートレビューで厳しい指摘を数多く受けた有配企業
  • 売掛金の未回収期間が長期に至っている債権が多額に存在する有配企業
  • 引当金の計上額が少ない有配企業など