IPO後、すぐに議論になるような会計基準です。

株式報酬制度の導入は、コーポレートガバナンスコードの中にも記載されており、上場会社になれば、積極的な導入検討をする必要性が出ています。

コーポレートガバナンスコード内に明記されているということは、特に東証が市場区分を変更後にプライム市場もしくはスタンダード市場に上場を目指す会社は、IPO準備時点で検討すべき内容になるかもしれません。

企業会計基準委員会は、2020年1月31日に法務省から「取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行等をする場合における会計基準の開発」の提案を受けた旨を公表しました。

令和元年改正会社法により、

  1. 上場会社において、取締役等の報酬等として募集株式の発行又は自己株式の処分をするときは、金銭の払込み等を要しないこととする(第 202 条の2第1項、第3項)。
  2. 上場会社において、取締役等の報酬等として新株予約権を発行するときは、新株予約権の行使に際して金銭の払込み等を要しないこととする(第 236 条第3項、第4項)。
  3. 取締役等に対する報酬等としての株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定めることとする(第 445 条第6項)。

という改正が行われることになりますが、自社株式を報酬とする場合の会計処理を包括的に定めた会計基準は存在しません。

導入事例が増加すると、会計処理の多様性が生じて、会計実務が混乱してしまうという問題意識から、この会計基準を開発するようです。