M&Aについて、良い話があれば、速やかに主幹事証券会社に相談しましょう。

「M&A」or「早期上場」の選択を迫られる会社は、意外に多く存在します。

つまり、M&Aは早期上場を阻害する場合があります。その主な理由は以下のとおりです。

直前期以降のM&Aが困難な理由
  1. 業績の成長性が不透明になるため、適正な発行価格を判断できなくなる。
    • 発行価格を決定するにあたっては、上場申請直前々期~直前期~申請期にいたる業績の成長性が極めて大きな判断材料になります。会社業績を大きく左右するような水準のM&Aを直前期以降に行ってしまうと、業績動向の連続性が不明確になり、適正な発行価格を判断できなくなってしまう事態が生じてしまいます。
  2. 内部管理体制の整備状況の確認をする時間が足りなくなる。
    • 原則、主幹事証券会社は、上場申請会社グループ全体の内部管理体制を1年間チェックする必要がありますが、直前期にM&Aを行ってしまうと、被買収企業の内部管理体制の確認を要する時間が不足することになるおそれが出てきます。

主幹事証券以外の証券会社から、M&Aの提案がよくあります。これは株式上場を延期させて、将来の主幹事証券狙いが”裏の目的”にあるようです。

特に「早期上場」と「M&A」の”二兎を追う”場合は、主幹事証券会社と監査法人への報告・連絡・相談を密に行いましょう。