コーポレート・ガバナンス・コードには以下のような原則と補充原則があります。
上場会社が政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針を開示すべきである。また、毎年、取締役会で、個別の政策保有株式について、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証するとともに、そうした検証の内容について開示すべきである。上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための具体的な基準を策定・開示し、その基準に沿った対応を行うべきである。
上場会社は、政策保有株主との間で、取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を継続するなど、会社や株主共同の利益を害するような取引を行うべきではない。
「政策保有株式」とは、純粋な投資目的による株式ではなく、取引関係維持や買収防止などを目的とした株式のことです。政策保有株式のひとつとして、二社間でお互いに株式を保有(「株式持ち合い」といいます)するケースがあります。例えば、トヨタ自動車とスズキが資本提携として、お互いに株式を保有しています。
政策保有株式についての用語説明は、次にしています。ご参考ください。
しかし近年、政策保有株式の存在は、以下のような理由でネガティブになっています。
- 企業の資本効率を悪化させる
- 機関投資家や一般投資家など、他の株主の発言権の封殺や対話を阻害している懸念がある
- 取引に制限が生じ、企業成長の足かせになる懸念があるなど
現状、関連当事者等との取引については、主幹事証券会社や東証から、解消を求められている事例はありますが、今後は政策保有株式を保有している会社との取引に対しても、同様な要請を受ける可能性が出てくると考えられます。
IPOに向けて政策保有株式の売却を行っている事例があります。
この会社の場合は、直前々期から株式持ち合いの解消に向けた活動を継続しており、IPO時に持分法適用会社から除外となりました。
「どこの会社?」や「政策保有株式の内容」などについて、詳しくは↓の記事に記載しています。
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