つい先日、私の所へ「証券難民」になっている会社経営者の方から問い合わせがありました。

いわゆる「証券難民」というのは、IPOを目指すために必要になる主幹事証券会社を選定する事が出来ない状態の会社になります。

無論、証券難民状態にある会社は、IPO出来ません。

折角、多額のコストをかけて準備したにも関わらず、証券難民に陥ってしまうと、全てがパーです。

そこでどのような会社が「証券難民」になってしまうのかを考察してみました。

「証券難民」とは「大手証券会社に断られた会社」

1年以上前の調査記事ですが、株式会社オロさんが証券難民についてアンケートをとりまとめた記事があります(こちらになります)。

このアンケート調査の中に次のようなアンケート結果がありました。

「主幹事証券会社の確保」において、どのようなことで困ったか(困っているか)を質問したところ、「証券会社の情報不足」30.3%、が最も多く、続いて「大手証券会社のリソース不足」29.7%、「大手証券会社に断られた」27.6%という回答になっています。

(出所:株式会社オロ 「監査難民に続き「証券難民」問題広がる 48.2%」より)

一般的に大手証券会社は、5大証券会社(野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJ証券)になります。

つまり↑のアンケートによれば「5大証券会社が相手にしてくれるかどうか」が相当高い壁になりそうです。

「大手証券会社に断られた会社」を推定して「監査難民」になりやすい会社を考える

無論、上場を目指すどの会社が5大証券会社から断られた会社なのか、さっぱりわかりません。

そこでIPOを達成した会社の中で5大証券会社がシ団に入っていないIPOを調べてみることにしました。

このような会社は、きっと5大証券会社の内、少なくとも1社の証券会社に対してシ団に加わる事を提案したにも関わらず断られたと仮説をたてました。

IPOを目前に控えた会社経営者が5大証券会社の全てを幹事証券会社から自ら除外したとは考えにくいためです(繰り返し申し上げますが、あくまでも仮定の話しです)。

そして、シ団に5大証券会社が全く入っていないIPOの特徴等を検討すると、その延長線として、証券難民はどのような会社がなりやすいのかが見えてくるのではと考えてみました。

2019年1月~本記事作成開始2023年9月に至るまでの東証IPO達成企業(439社)におきまして、シ団に5大証券会社が全く入っていないIPOを調査しました。

439社中、10社ありました。

10社中9社がグロース市場(旧マザーズ市場含む)であり、1社がスタンダード市場への上場企業でした。

「大手証券会社に断られた会社」を検討してみました

10社のIPO時の目論見書等を読み、なぜ大手証券会社からシ団を断られたのかを検討してみました。

株式会社テクノロジーズのIPO

その中の1社には、2023年1月に上場した株式会社テクノロジーズがあります。

株式会社テクノロジーズに関しましては、このような記事があります(こちらになります)。

株式会社テクノロジーズにつきましては、言及を控えさせて頂きます((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。

その他の9社

その他の9社につきましては、いくつかの会社で検討しました。別の記事で紹介させていただきます(こちらになります)。

この記事にあるパスワードはIPO準備実務のオンラインサロン「シン IPO AtoZ」のメンバーに限定させていただきます。

ご興味がおありになれば、ぜひご加入下さい。

サロン内でも将来「なぜこれらのIPOには、5大証券会社が幹事に入っていないのか?」を議論する予定にしております。

サロンには上場を目指す会社関係者の方、また支援者の方がメンバーとしていらっしゃいます。

上場準備において、こういう事態になることは避けるべきという事が色々理解できるかもしれません。

IPOに関しまして、こんな事を話し合うシーンがてんこ盛りです。