上場するためには非常勤の社外役員を招聘する必要があります。

招聘する際、間違いなく報酬額を検討すると思います。

その際、経営者は「上場を目指す会社の社外役員報酬の世間相場って、いくらくらいだろう?」と一度は考えると思います。

デロイトトーマツ様が毎年、『役員報酬サーベイ』というレポートを公表しておりまして、2022年度版であれば、「プライム上場企業における社外取締役の報酬総額水準は、中央値で840万円」となっています(こちらになります)。

少し古いですが、朝日新聞に「社外取締役、報酬は年平均663万円 兼務で高額報酬も」という記事があります(こちらになります)。

はっきり言いまして、このブログ記事をお読みになる主力読者層(スタートアップ関係者)にとりまして、デロイトトーマツと朝日新聞のレポートは、参考資料として使えると到底思えません。

社外取締役に月額60万円や70万円を支払う事が出来るスタートアップって、どこにいますか???

ブログの中の人は、全く想像できません。

一方、これも多少古いですが、日本監査役協会が「監査役の選任及び報酬等の決定プロセスについて」の中で、社内・非常勤監査役の報酬額について、IPO準備中24社に対するアンケートで19社が200万円未満、5社が200万円~500万円未満という結果が出ています(こちらになります)。

ブログの中の人は日本監査役協会のアンケート結果をみて「月額10万円程度の報酬で会計士や弁護士等の専門家を社外役員として来てくれるのが普通なの?」と疑問に思い、また上場を目指す会社が社外役員の報酬を決定する際、日本監査役協会のアンケート結果を参考にするのは、「?」を感じてしまいました。

そこでIPO AtoZは、立ち上がりました。

2019年~2022年に上場達成した会社が社外役員にどの程度の報酬を支払ったのかを調査してみました。

なお、非常勤役員と社外役員の定義は違います。↓をご参考下さい。

社外取締役・社外監査役【IPO用語】

上場達成会社の非常勤役員報酬額の調査方法

Ⅰの部には、↓のようなフォーマットでN-1期の役員報酬が記載されています。↓の表は、楽天銀行の例です。

楽天銀行は、N-1期に7人の社外役員に29百万円支払ったよ。と開示しています。

このブログ記事の目的は、非常勤役員を招聘すると一人当たり、いくらくらいの報酬がかかっているのかという報酬相場の発掘です。

楽天銀行の社外役員報酬29百万円の中には、期中で退任した社外役員、期中に新任した非常勤社外取締役、1年間就任していた非常勤社外役員の報酬が混ざっておりまして、各社外役員に対し、どの程度の報酬を支払ったのか、さっぱり想像できません。

したがいまして、その社外役員報酬の検討のための参考事例として、楽天銀行の事例は使えません。

しかし、ほとんどの会社は、楽天銀行のようになっています。

また、識学の役員報酬は↓のとおりになっています。

社外取締役が1名に対して1,620千円の報酬になっています。しかし、この社外取締役は、直前期の期中に就任しておりまして、何か月分の報酬(4か月分?5か月分?)が記載されているかが不明です(ブログの中の人は、役員報酬額には取締役就任月が含まれている可能性が高いと思っておりますが、それをベースにして月額計算してみると、割り切れない会社が数社ありました)。そのためにデータ収集対象から除外することにしました。

ブログの中の人は、直前々期以前に非常勤の社外役員が就任し、1名のみで報酬額を開示している事例をコツコツ拾い上げて、データ化することにチャレンジしてみました。

上場達成会社の非常勤取締役報酬額

2019年~2022年の4年間に上場達成した会社の中で26社を探し出す事が出来ました。

結果的には、デロイトトーマツ様のレポート、日本監査役協会の調査や朝日新聞の記事とは違う傾向が出ました。

  • 最大:PHCホールディングス 1,200万円
  • 最小:モビルス、フリー、ココペリ 60万円

最大のPHCホールディングスは、パナソニック系列会社であることもあり、読者層にとっては無視していいと思います。

その他のデータにつきましては、↓にあります。

2019年~2022年の4年間に東証上場達成した会社の非常勤役員報酬データ【IPO事例-43】

本ブログの中の人は、サロン立上を計画しておりまして、データ公表につきましては、今後サロン内で行おうと考えております。

まとめ

2019年~2022年の上場達成会社の非常勤役員(社外取締役)報酬額を調査しました。

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