IPOを目指すことになった場合、社外から役員を招聘し、取締役会や監査役会などの期間設計を行う必要があります。

そこで経営者は、「何人くらい招聘すればよいのか?」「どんな経歴の人を招聘すればよいのか?」と悩むはずであり、そのとき「他の会社はどうなっているの?」と他の会社の状況を参考にすると思います。

ご参考になれば幸いです。

分析

2019年~2022年に東証へIPOをした会社(383社)の役員構成を簡単に分析すると次のようになりました。

表1 2019年~2022年に東証へIPOをした会社の役員構成

総数 1社あたり平均 最大 最小
役員数 3,204名 8.4名 15名 4名
内男性役員数 2,955名 7.8名 13名 3名
内女性役員数 249名 0.7名 4名 0名
取締役数(監査等委員である取締役除く) 2,025名 5.3名 12名 1名
社外取締役数(監査等委員である取締役除く) 520名 1.4名 7名 1名
監査役・監査等委員数 1,216名 3.2名 5名 3名
社外監査役・社外監査等委員数 1,025名 2.7名 5名 2名

表2 2019年~2022年に東証へIPOをした会社の社外役員のキャリア分析

総数 1社あたり平均 最大 最小
事業会社での勤務経験者 824名 2.2名 9名 0名
会計士・税理士 362名 0.9名 4名 0名
弁護士 289名 0.8名 2名 0名
社労士 7名 0.02名 1名 0名
学者・公務員出身者 32名 0.08名 2名 0名

社外役員のキャリアの過半を事業会社の勤務経験者が占めていました。

会計士・税理士より、弁護士を社外役員に選定する数が少ない主な理由として、顧問弁護士を社外役員に就任させると、別の顧問弁護士と顧問契約を締結しなければいけなくなるという実務が発生することを嫌う会社が少なくないためのようです。

事業会社での勤務経験者を選定する際、競合他社との関係について議論になりますが、M&A総合研究所の熊澤誠監査役が競合他社である日本M&Aマネジメント㈱の社外取締役と兼務しているという事例があります。

IPOAtoZでは、上場達成企業が作成したⅠの部等の内容をデータ化しています。

シンIPOAtoZというオンラインサロンでは、分析した内容を解説しています。

ぜひご参照ください。