
IPOを目指すことになった場合、社外から役員を招聘し、取締役会や監査役会などの期間設計を行う必要があります。
そこで経営者は、「何人くらい招聘すればよいのか?」「どんな経歴の人を招聘すればよいのか?」と悩むはずであり、そのとき「他の会社はどうなっているの?」と他の会社の状況を参考にすると思います。
IPOAtoZには、とっておきのツールがあります。
2019年に東証へIPOをした会社(82社)の役員構成を簡単に分析すると次のようになりました。
表1 2019年に東証へIPOをした会社の役員構成
総数 | 1社あたり平均 | 最大 | 最小 | |
---|---|---|---|---|
役員数 | 690名 | 8.4名 | 15名 | 5名 |
内男性役員数 | 636名 | 7.8名 | 13名 | 4名 |
内女性役員数 | 54名 | 0.7名 | 4名 | 0名 |
取締役数(監査等委員である取締役除く) | 435名 | 5.3名 | 12名 | 2名 |
社外取締役数(監査等委員である取締役除く) | 84名 | 1.0名 | 3名 | 0名 |
監査役・監査等委員数 | 255名 | 3.1名 | 4名 | 3名 |
社外監査役・社外監査等委員数 | 225名 | 2.7名 | 4名 | 2名 |
ついつい最近まで、IPOを目指す会社の監査役会のメンバー構成は、社員の中から1名を常勤監査役として就任させ、それ以外を社外監査役で占めるということが定番でした。
しかし、2019年に東証へIPOをした会社82社の内、52社が監査役・監査等委員の全員が社外役員で占められていました。
2019年にIPOを達成した会社の監査役・監査等委員の総数(255名)と社外監査役・社外監査等委員の総数(225名)を比較すると、監査役または監査等委員のほとんど(88%)が社外で占めるようになっていることでもわかるとおり、昨今は監査役(または監査等委員)の全員が社外で占めることが定番になっているようです。
表2 2019年に東証へIPOをした会社の社外役員のキャリア分析
総数 | 1社あたり平均 | 最大 | 最小 | |
---|---|---|---|---|
事業会社での勤務経験者 | 183名 | 2.2名 | 6名 | 0名 |
会計士・税理士 | 70名 | 0.8名 | 3名 | 0名 |
弁護士 | 49名 | 0.6名 | 2名 | 0名 |
社労士 | 4名 | 0.05名 | 1名 | 0名 |
学者・公務員出身者 | 3名 | 0.04名 | 2名 | 0名 |
社外役員のキャリアの過半を事業会社の勤務経験者が占めており、事業会社の勤務経験者だけで社外役員を構成している会社は11社存在します。
会計士・税理士より、弁護士を社外役員に選定する数が少ない主な理由として、顧問弁護士を社外役員に就任させると、別の顧問弁護士と顧問契約を締結しなければいけなくなるという実務が発生することを嫌う会社が少なくないためのようです。
社外役員が「事業会社の勤務経験者」と「会計士・税理士」と「弁護士」が満遍なく構成されている社数は、11社でした。
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