証券取引所への相談、または財務局へ有価証券届出書の内容確認することを「事前相談」と呼んでいます。
つまり上場準備においては、「事前相談」を2つの意味で使われています。
証券取引所への事前相談
証券取引所へ事前相談する目的
証券取引所へ事前相談する目的または場面は、主に次の2つになります
IPOを準備会社は、IPOの準備段階で、主幹事証券会社から多くの指摘や要請を受けます。
その指摘や要請の中には、意見や考えに食い違いが出ることや、疑問をもつような事も含まれるのはよくある光景です。
そのような場面に遭遇したとき、証券取引所の見解を確認できると、両社が納得して上場準備作業を進めることができるようになります。
事前相談は、原則、IPO準備会社が証券取引所に直接問い合わせするのではなく、原則、証券会社の公開引受部門や引受審査の担当者が電話で東証へ問い合わせをすることになります。
東証への上場を目指すには、形式基準に定められた項目を全てクリアする必要がありますが、その中で不安な項目があれば、東証に最終確認をする目的で事前相談を活用します。
例えば、IPOを目指す会社は、独立役員の選定が必要ですが、独立役員として必要になる独立性基準のいずれかに抵触する可能性があるような場合等には、事前相談を活用します(東証では、独立役員について事前相談する際、「独立役員届出書」の案の用意を求めています)。
証券取引所へ事前相談するときの注意
- 事前相談をする前は、主幹事証券会社の担当者に相談しましょう。
- 東証への事前相談は、IPOを目指す会社関係者が行うのではなく、主幹事証券会社の担当者により、匿名で電話相談することがほとんどです。
- 東証は、質問への回答をしてくれますが、残念ながら、誰が回答したのかをほとんど教えてくれません。
財務局への事前相談
日程相談とも言われています。
関東財務局の事前相談については、こちらで説明しています。
財務局へ事前相談する目的
IPOをするときにファイナンスする場合、有価証券届出書という重要書類を財務局へ提出することになります。
有価証券届出書の内容について財務局担当者へ相談しながら、最終版を仕上げることになります。そのための相談を事前相談と呼んでいます。
財務局へ事前相談するときの注意
財務局が指定する「日程表等」のフォーマットを作成した上で訪問することになります。
上場承認予定日から約1カ月程度前までに財務局へ訪問します。
ブログの中の人の経験では、証券会社の公開引受部門担当者が初回の訪問は同席しますが、証券会社担当者の同席を嫌う財務局の職員が多く、2回目以降の訪問へ同席しませんでした。