役員という用語は、一般的な用語ですが、IPO準備にとりかかると、利用する場面によって、定義が異なりますので、注意が必要です。

また役員等という言葉もIPO準備をすると出てきます。

以下に紹介する例は、あくまでも一例です。

役員とは

会社法における役員

株主総会で選任決議を要する役員、特定の株主による解任請求対象となる役員などに使われます(会社法第329条)

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与

会社法施行規則における役員

会社法上での親会社等子会社等、業務執行者としての役員などに使われます。(会社法施行規則第2条第3項三号)

会社法施行規則には、「役員」とは別に「会社役員」も存在します。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 執行役
  • 理事、監事その他これらに準ずる者

企業内容等の開示に関する内閣府令における役員

2つの定義が存在します。

  • 役員持株会
  • 取締役
  • 会計参与(法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)
  • 監査役
  • 執行役
  • 理事及び監事その他これらに準ずる者を含む。
  • 「役員の報酬等」の開示における対象となる役員(第2号様式および他の様式)
  • 取締役(監査等委員、社外取締役を除く)
  • 監査等委員(社外取締役を除く)
  • 監査役(社外監査役を除く)
  • 執行役
  • 社外役員
  • 最近事業年度の末日までに退任した役員も含む

会計(関連当事者の開示に関する会計基準」、「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第8条第4項第2号ロ))における役員

関連当事者の定義に使われる役員、会計上の役員報酬の定義に使われます。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 執行役
  • これらに準ずる者(相談役、顧問、執行役員その他これらに類する者であって、その会社内における地位や職務等からみて実質的に会社の経営に強い影響を及ぼしていると認められる者をいい、創業者等で役員を退任した者についても、役員の定義に該当するかどうかを実質的に判定する。)

「持株制度に関するガイドライン」における役員

役員持株会の会員資格に関して使われます。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 執行役
  • 以上の者と同等以上の支配力を有するものと認められる者(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わない。)
  • 直接的または間接的に50%超の議決権を保有する子会社の役員

役員等とは

「やくいんとう」といいます。

役員等は、主に会社法と開示布令の2つの定義があります。

会社法における役員等

任務懈怠をした場合の賠償責任の範囲として利用されます。(会社法第423条、会社法施行規則)

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 執行役
  • 会計監査人

企業内容等の開示に関する内閣府令における役員等

特別利害関係者等の定義に使われる役員等(第1条第1項31号イ)になります。

  • 役員持株会
  • 取締役および取締役の配偶者や二親等内の血族
  • 会計参与(法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)および会計参与の配偶者や二親等内の血族
  • 監査役および監査役の配偶者や二親等内の血族
  • 執行役および執行役の配偶者や二親等内の血族
  • 理事及び監事その他これらに準ずる者、およびこれらの者の配偶者や二親等内の血族