順風満帆に上場達成した会社は、ほんの一握りでありまして、上場を達成した会社の過半数は、上場時期を当初からの目標を延期した経験があると言って、過言ではないと思います。

したがいまして、多くの会社が主幹事証券会社から上場申請時期の延期を通告されたという事になります。

ここでは、上場申請時期の延期理由、また主幹事証券会社から契約解除を通達される理由について述べさせていただきます。

なお、あくまでもブログの中の人の経験による個人的な意見であることにご留意くださいますようお願いします。

主幹事証券会社が1期間、上場申請時期を延期通告する理由例

業績不振や内部管理体制の不備を要因として、主幹事証券が1期だけ上場申請時期を延期する通告は、よくある出来事です。

主に次のような理由になると思われます。

主幹事証券会社が1期間、上場申請時期を延期通告する理由例
  • 労務管理や業法等、短期間で改善可能なコンプライアンス面で確認を要する事象が存在する場合
  • 証券市場の市況が悪く、希望する規模のファイナンスが出来ない場合
  • 適時開示体制が脆弱であると判断された場合
  • 規程の整備状況や連結決算体制、内部監査体制等が不十分と判断された場合
  • 予算と業績が下方へ大幅乖離している場合
  • 業績が2年連続で予算を下回っている場合など

1期上場目標時期を延期する場合とは、1年間で上場企業に相応しい体制へ強化できる可能性がある場合、または業績改善を期待できる場合が中心になります。

上場を達成した会社には、このような経験をした会社がゴロゴロありまして、決して凹むことはありません。

主幹事証券会社が2期間以上、上場申請時期を延期通告する理由例

主幹事証券会社は、2期間以上、上場申請時期の延期を通告するケースがあります。

例えば、次のような場合です。

主幹事証券会社が2期間以上、上場申請時期を延期通告する理由例
  1. 金融商品取引法違反(有価証券届出書の提出不備等)や関連業法違反など、2期間以内に治癒が出来ないレベルの重大な法令違反が確認された。
  2. 市場環境が急激に悪化・変化した影響により、業績回復の目途が立たなくなった。
  3. 監査意見の表明に関して疑義があるなど、財務諸表の内容に信頼性が持てない。
  4. のれんの減損、固定資産除却損など、近年中に発生可能性が高い大規模な損失計上リスクが潜在している。など

上の理由のように「重大な法令違反」「業績の急激な悪化」「財務諸表の信頼性に関する重大な問題」「重大なリスク」の内、何かになります。

1年程度では、解決出来ないような重大な問題課題が発覚した場合になり、実質的に上場準備が中断することになります。

ブログの中の人は、このような理由で上場準備を一時中断した会社が、再び上場を目指して体制を構築し、上場達成に成功した会社を数多く知っています。

その中のいくつかは、今では東証1部上場企業になっています。

決して凹むのではなく、急がば回れの精神で、時間をかけて改善することにより、強靭な体制を構築できることも考えられます。

主幹事証券会社が契約解除を通告する理由例

主幹事証券会社は、上場を目指す会社と締結する契約を伸ばし、また1社でも多くの会社を上場達成する方が業績向上に結び付きます。

それを理解しておきながら、契約解除を通告するケースがあります。

主幹事証券会社から明確な理由により、契約解除の通告を受ければ、通告を受けた側も納得できるとおもいますが、中には、それだけではありません。

中には、次のような明確ではない理由で、上場延期というものではなく、主幹事契約そのものを解除通告をする場合があります

主幹事証券会社が突然契約解除通告をする例
  • 主幹事証券会社は「総合的な判断で・・・」というような理由を述べるだけで、明確な理由を言わない
  • 内部管理体制の整備状況に関するある問題点に対して、「以前、大きな問題ではないと言われていた問題」が、「致命的な問題」へ急激に変化したなど

契約解除通告を受けた会社は、基本的に他の主幹事証券会社を探す事になりますが、特に審査に入る直前直後にこのような形で通告を受けた場合、痛手は極めて大きく、短期間で実務部隊のモチベーションを立て直す事は不可能であると言って過言ではありません。

一方、株式公開によって一定の収益確保を目前に控えた主幹事証券会社(特に担当者)にとりましても、契約解除を通告しなければいけないのは極めて辛い出来事です。

実は、ブログの中の人は、このようなことを何度か目撃または経験をしております。

なお、これらの会社は1社も上場していません。

これは主幹事証券会社側にとりましても、明確な理由をいえない訳があります。

まとめ

契約解除を受けた会社にとっては、その理由を知らなければ、次へ進めないとおもいます(なお、ブログの中の人が知る限り、このような方法で主幹事契約の破棄を受けた会社が、後にIPOを達成した会社を認識していません)。

不明確な理由によって主幹事証券会社が主幹事契約解除通告を行うわけ(最も可能性が高いと思われる本当の理由)について、お知りになりたい方は、「IPO事例-29のパスワードを教えてほしい」と一言ご記入の上、↓のフォームからお気軽にお問い合わせください。

    なお、お送り頂いた個人情報につきましては、第三者に転送することを目的といたしておりませんので、ご安心してお問い合わせください。

    【主幹事証券会社の裏側】不明確な理由で、主幹事契約の解除を言い渡す場合【IPO事例-29】