IPOの直前、主幹事証券会社との間で、スプレッドについて交渉することになります。

スプレッドとはこちらで説明しています。ご一読ください。

引受価額【IPO用語】

スプレッドは、幹事証券会社にとって販売手数料に直結するものであるため、証券会社はできるだけ大きなスプレッドを求めます。

一方、IPOを目指す会社にとっては、スプレッドが大きくなると、手取金の減少につながるため、できるだけ小さなスプレッドを希望します。

2019年に東証へIPOを達成した82社のスプレッドは、どのようになっているのかをまとめました。

スプレッドの分析

スプレッドの状況(全82社)

8%が圧倒的に多く、6%が最低になっています。平均は7.82%です。

  1. 8.0%(62社 サーバーワークス、スマレジ、バルテスなど)
  2. 7.5%(15社 東海ソフト、ダイコー通産、KHCなど)
  3. 7.0%(2社 ステムリム、JMDC)
  4. 6.5%(1社 sansan)
  5. 6.49%(1社 フリー)
  6. 6.0%(1社 日本国土開発)

8%が業界としての定価になっているように伺えます。

そこでスプレッドが8%を下回る会社20社(24.4%)は、どのような会社でしょうか。

スプレッドが8%を下回る会社20社一覧

日本国土開発株式会社、フリー株式会社、Sansan株式会社、株式会社ステムリム、株式会社JMDC、東海ソフト株式会社、ダイコー通産株式会社、株式会社KHC、ユーピーアール株式会社、株式会社ヤシマキザイ、Chatwork株式会社、ワシントンホテル株式会社、BASE株式会社、恵和株式会社、株式会社テクノフレックス、株式会社メドレー、ベース株式会社、株式会社JTOWER、SREホールディングス株式会社、株式会社カクヤス

IPOを目指す会社にとっては、スプレッドを8%未満で抑えたいと考えることが自然です。そこで3つの仮説を立てて、検討しました。

ファイナンスの規模が大きい会社の方が有利になるのではないか

IPO時のファイナンス規模が50億円を超える会社は、2019年には10社あり、そのうち8社がスプレッド8%未満であった。したがってファイナンスの規模が大きいIPOの方が、スプレッドの交渉が有利に働く可能性があるといえる。

しかしファイナンスの規模が小さい会社の場合は、スプレッドの低率化に向けた交渉が一概に出来ないという事ではなく、東海ソフトやダイコー通産のファイナンス規模は10億円に満たない。

上場市場によって異なるのではないか

2019年に東証へ上場した会社は、82社あり、その内、東証1部と2部に上場した会社は12社である。この12社中、11社のスプレッドは、8%未満である。したがって東証1部または2部に直接上場する会社は、スプレッドの交渉が有利に働く可能性がある。

大手の証券会社が主幹事証券会社であれば、8%を割るのが困難ではないか

各主幹事証券会社別のスプレッドを以下にまとめます。(勝:8% 負:8%未満)

  • 野村証券:9勝8敗
  • 大和証券:14勝5敗
  • 日興証券:17勝3敗
  • みずほ証券:11勝1敗
  • 三菱UFJモルガンスタンレー証券:1勝3敗
  • SBI証券:6勝0敗
  • 東海東京証券:3勝0敗
  • いちよし証券:1勝0敗

主幹事証券会社の会社規模によって、スプレッドが高い安いということは言えない。

スプレッドの詳細分析

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コストに関して交渉する前に、どの程度が業界標準になっているのかは、経営者にとりまして関心事です。

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