IPOを達成するためには、一定以上の「流通株式」が必要になります。ここでは、流通株式について説明しています。

流通株式とは

オーナー社長を含む役員は、自身の株式保有比率の維持、またインサイダー取引規制などの規制により、自社株式の売買を活発に行う事をせず、所有を相当長期間維持しようとします。

このように、その所有が固定的な株式のことを「流通性の乏しい株式」といいます。

有価証券上場規程施行規則第8条では、「流通性の乏しい株式」について以下のように定義しています。

「流通性の乏しい株式」
  1. 自己株式
  2. 会社の役員が保有する株式
  3. 株式数の10%以上を所有する者又は組合等が保有する株式
  4. 会社の役員の配偶者や二親等内の血族が保有する株式
  5. 会社の役員、役員の配偶者や二親等内の血族により総株主の議決権の過半数が保有されている会社が保有する株式
  6. 会社の関係会社や関係会社役員が保有する株式

「流通株式」とは、そのような株式を除く株式のことをいいます。

「流通株式」 = 「発行済株式」-「流通性の乏しい株式」

流通株式の定義見直し

東証は、2022年4月に予定している新市場区分への変更に伴い、流通株式の定義の見直しを行う予定であると公表しています。

「流通性の乏しい株式」(2022年4月以降)
  1. 自己株式
  2. 会社の役員が保有する株式
  3. 株式数の10%以上を所有する者又は組合等が保有する株式
  4. 会社の役員の配偶者や二親等内の血族が保有する株式
  5. 会社の役員、役員の配偶者や二親等内の血族により総株主の議決権の過半数が保有されている会社が保有する株式
  6. 会社の関係会社や関係会社役員が保有する株式
  7. 特別利害関係者が所有する株式
  8. 国内の普通銀行、保険会社及び事業法人等(金融機関及び金融商品取引業者以外の法人)が所有する株式(所有目的が「純投資」である場合を除く)
  9. その他、東証が流通株式に含めることが適当ではないと認める株式

特別利害関係者については、こちらで説明しています。ご参考ください。

特別利害関係者【IPO用語】

流通株式に関する形式要件

IPOを達成するために、流通株式に関して、以下のような形式要件が存在します。

表 流通株式に関する形式要件

東証1部 東証2部 JQ(スタンダード) JQ(グロース) マザーズ
流通株式数 20,000単位以上 4,000単位以上 2,000単位以上
流通株式時価総額 10億円以上 5億円以上 5億円以上 5億円以上
流通株式比率 35%以上 30%以上 25%以上

東証で2022年4月に予定されている新市場区分では、それぞれの市場で流通株式に関する形式要件が定められる予定です。