IPOに至るまでには、直前々期~直前期~申請期の準備期間が必要になります。
野球チームに例えるなら、
- 直前々期・・・筋トレ、素振り、ノックをして鍛えて、ポジションを決める期間
- 直前期・・・紅白戦や練習試合をして実戦練習をする期間
- 申請期・・・公式戦に挑む期間
というイメージになります。公式戦に勝てば、晴れて上場会社になるということです。
ここでは、IPO準備のスケジュールについて、説明させていただきます。
ショートレビューのタイミング
上では、「最低3事業年度が必要」と述べていますが、実質的には直前々期の前期(直前々々期)から準備が開始されます。
それは、直前々期期初(つまり直前々々期末)のバランスシートが監査法人から適正であるという評価を受ける必要があるためです。その評価を受けるイベントがショートレビューであり、IPOを目指す会社にとっての最初の重要イベントになります。ショートレビューとは何かということをここで簡単に説明しています。
しかし、ショートレビューは、早くすればよいというものではありません。
ショートレビューに至るまで、何を行えばよいのか、何から始めればよいのか、どういう順序で行えばよいのかという事に関しては、こちらの記事をご参考ください。
申請期までのIPO準備スケジュール
ショートレビューが終わり、会社の課題問題の洗い出しが終了すれば、申請期までのスケジュールを作成することになります。
申請期まで何を行うのかを、図1と表1でざっくり説明させていただきます。
図1 IPOの準備開始からIPOまでの全体スケジュール
表1 IPO準備時期ごとの考え方や主な活動内容
時期 | IPO準備の考え方 | 主な活動内容 |
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上場直前々々期以前 |
【上場意思決定期間】 IPOに向けた基本的な学習をするとともに、全体スケジュール感や予算の概算見積もりをし、IPOに向けた意思を決定します |
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上場直前々期 |
【管理体制整備期間】
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上場直前期 |
【運用確認期間】
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申請期 |
【上場審査期間】
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申請期までのIPO準備スケジュールを作るためには
IPOの準備スケジュールは、自社で作成せず、証券会社へIPO準備スケジュール案の作成を依頼し、その案を元に検討することが最も多い例になります。
しかしこの際、証券会社は「最短期間でIPOが出来ます!」という営業トークを言うケースが多々あります。そのIPO準備スケジュール案の内容を確認するとき、次のような点を確認しましょう。
- 上場直前々期末までに管理部門の体制構築が現実的であるか
- 類似会社が自社の事業や規模等に合致するような会社か
- IPO時の時価総額が目標としている水準か
- 中期経営計画を利用してIPO準備スケジュール案を作成している場合、3年後の利益計画は達成可能性が高いものであるか