有価証券報告書とは、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料です。
Ⅰの部とⅡの部の正式名は、「新規上場申請のための有価証券報告書」といいます。
上場後は、Ⅰの部とほぼ同じ内容の有価証券報告書を事業年度終了後3カ月以内に提出することになり、さらに有価証券報告書に準ずる四半期報告書という報告書を四半期ごとに提出することになります。
Ⅰの部とⅡの部についての説明はこちらになります
有価証券報告書とは
「有価証券報告書」は略して、「ゆうほう」と呼ばれており、上場企業等が、自社の企業概況や経営状況をまとめた書類のことです。
有価証券報告書を提出する会社のことを有価証券報告書提出会社と言われており、次のような会社が義務付けられています。
- 金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者
- 店頭登録されている有価証券の発行者
- 募集または売り出しにあたり有価証券届出書または発行登録追補書類を提出した有価証券の発行者所有者数が1,000人以上の株券(株券を受託有価証券とする有価証券信託受益証券および、株券にかかる権利を表示している預託証券を含む)または、優先出資証券(ただし、資本金5億円未満の会社を除く)、及び所有者数が500人以上のみなし有価証券(ただし、総出資金額が1億円未満のものを除く)の発行者
上場会社の有価証券報告書は、EDINETで確認できます。
有価証券報告書の内容
有価証券報告書の記載内容は、主に次のようになります。
- 企業の概況:経営指標、沿革、事業の内容、従業員の状況など
- 事業の状況:経営方針、経営環境、事業等のリスク、財務状況、研究開発活動など
- 設備の状況:設備投資の概要、状況、新設など
- 提出会社の状況:株式等の状況、配当政策など
- コーポレート・ガバナンスの状況等:コーポレート・ガバナンスの概要、役員の状況、監査報酬の内容など
- 経理の状況:連結財務諸表、注記事項、会計方針、関連当事者情報など
有価証券報告書と有価証券届出書の違い
有価証券報告書とよく似た言葉として、有価証券届出書があります。
有価証券報告書は、会社の経営成績等を株主等に定期的に報告するための報告書です。
一方、有価証券届出書は、一定規模以上の有価証券の募集を行うときに、発行会社の事業内容等を投資家等に把握させるための書類です。
Ⅰの部と有価証券届出書の大きな違いは、第一部【証券情報】 という項目が有価証券届出書には存在する一方、Ⅰの部には存在しないという点です。
第一部【証券情報】の内容は、「何株発行する」とか「何株売出しする」、「売出人」「どこの証券会社が幹事証券として名を連ねている」などの情報です。
有価証券報告書等とは
「有価証券報告書等」とは形式要件に存在する用語であり、以下のとおりになります。
まとめ
有価証券報告書について説明させていただきました。
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